ラフマニノフ :エチュード(練習曲)「音の絵」 Op.33
Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich:Etudes-tableaux Op.33
総説 : 木暮 有紀子 (531文字)
《音の絵》op. 33は、ラフマニノフの演奏活動と作曲活動が共に円熟を迎えた時期の作品である。演奏活動は、指揮者としての活動が最も充実していた。ピアニストと作曲家、指揮者の3足のわらじを履いた彼は、コンサートシーズンは楽曲のスケッチのみ行い、オフシーズンに楽曲を完成させるというルーティーンワークを行っていた。
1910年のコンサートシーズン中に構想が開始され、1911年8〜9月の間に完成した。極めて技巧的な8つの楽曲から構成されている。元は9曲の構成であったが、ラフマニノフの生前に出版されたのは第1、2、6、7、8、9曲だった。第3、5曲目は発表を禁じられ、発見されたのは彼がこの世を去ってからだった。また、第4曲は改変されて《音の絵》op. 39の第6曲となった。現在のような9曲そろった形となったのは、作曲から半世紀程経った1969年ブージー&ホークス社の出版によってである。
《音の絵》というタイトルからは、極めて標題性を持ち合わせている印象を受けるが、各曲は標題を冠していない。特定の情景を元に描かれた楽曲も存在するが(例えば、第7曲はロシアの定期市を表していると作曲者本人が語っている)、何をイメージして各曲を演奏するのかは、演奏者に一任されている。
第1番 Op.33-1
調:ヘ短調 総演奏時間:3分30秒
動画(1)
解説(0)
楽譜(0)
第2番 Op.33-2
調:ハ長調 総演奏時間:2分30秒
動画(3)
第3番 Op.33-3
調:ハ短調 総演奏時間:6分30秒
動画(2)
欠番(Op.39-6)
動画(0)
第5番 Op.33-5
調:ニ短調 総演奏時間:2分30秒
第6番 Op.33-6
調:変ホ短調 総演奏時間:2分00秒
第7番 Op.33-7
調:変ホ長調 総演奏時間:2分00秒
第8番 Op.33-8
調:ト短調 総演奏時間:4分00秒
第9番 Op.33-9
調:嬰ハ短調 総演奏時間:3分30秒
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-5 Moderato
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-8 ト短調
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-9 Grave
2008コンペティション特級セミファイナル エチュード集「音の絵」Op.33-2
2008コンペティション特級セミファイナル エチュード集「音の絵」Op.33-1
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-7 Allegro con fuoco
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-8 Moderato
2008コンペティション、決勝大会の演奏より Etudes-tableaux Op.33-3