作品概要
作曲年:1914年
出版年:1918年
初出版社:Durand
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:24分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部
(910 文字)
更新日:2010年1月1日
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執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (910 文字)
ラヴェルはフランス近代を代表する作曲家で、曲数こそ多くはないが、重要な秀作を次々と生み出した。
ラヴェルは、はじめドビュッシーに尊敬をはらい続け、初期の作品にはドビュッシーの影響が色濃く反映されていた。しかし次第に明確な旋律や簡潔な様式を求め、18世紀の古典主義的傾向をその作品に反映するようになっていった。そのような傾向が最も端的に現れているのがこの『クープランの墓』で、クープランを代表とする18世紀フランス音楽に敬意を表して、1914~17年に作曲された。曲名の“墓”というのはフランス語の“トンボー”(tombeau)という語の直訳だろうが、ここでは“故人を偲ぶ曲”というというもう一つの意味の方を指していると考えられる。曲は古典舞曲形式を中心に6曲からなり、各曲は第1次大戦で戦死した彼の友人6人に捧げられている。初演は、第6曲を捧げられ音楽学者だったマルリアーヴ隊長の未亡人でフランスの名ピアニスト、マルグリット・ロンによって1919年4月11日パリで行われた。
1.プレリュード / "Prélude"
12拍子の流麗な旋律が、様々な調性をさり気なく通り過ぎてゆく。
2.フーガ / "Fugue"
反行カノンや三重カノン、ストレッタを用いた3声の本格的なフーガだが、ラヴェルらしい穏やかさがほのかに光る。
3.フォルラーヌ / "Forlane"
17世紀のフランスの音楽によく用いられていたこのフォルラーヌという舞曲は6/8拍子で、北イタリア起源の古いダンス。古典主義的傾向が最も強いが、ラヴェル独自の巧みな和声も聞こえてくる。
4.リゴドン / "Rigaudon"
リゴドンは17世紀フランスの宮廷音楽によく用いられた、プロヴァンス発祥の2拍子系の舞曲。明るく活発な主部と憂いを帯びた中間部とが対比を成す。
5.メヌエット / "Menuet"
優雅で気品溢れる優しい曲。トリオの部分は“ミュゼット”と示されており、やや劇的な緊張が見事に高揚していく。
6.トッカータ / "Toccata"
16分音符が一貫して連打される技巧的な曲で、大変高度な技術が要求される。しだいに高まる緊張感や冴えわたる感性は、まさに圧巻である。
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