ラフマニノフ :エチュード(練習曲)「音の絵」 第9番 Op.33-9 嬰ハ短調
Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich:Etudes-tableaux Grave cis-moll Op.33-9
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:展開1 展開2 展開3
執筆者 : 山本 明尚 (239文字)
荘重で熱烈な掉尾。モスクワの批評家サバネーエフは演奏会でこの曲を聴き、「全音階的スクリャービン」と呼んだ。事実、旋律よりもむしろ断片的な動機や和声の響きに重きを置く作風は、友人の作曲家を想起させずにはいられない。また、強奏される序奏は嬰ハ短調の上行音階からなっている。序奏の後、ベートーヴェンの交響曲第5番のいわゆる「運命の動機」を連想させる動機を経て、激情に満ち満ちたパッセージや和音連打が空間を満たしていく。36小節目から執拗に続く半音下行は、楽曲の悲劇性をより高めている。
エチュード(練習曲)「音の絵」Op.33-9 Grave
エチュード(練習曲)「音の絵」 第9番
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