ラフマニノフ :エチュード(練習曲)「音の絵」 第9番 Op.33-9 嬰ハ短調

Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich:Etudes-tableaux Grave cis-moll Op.33-9

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:3分30秒

解説 (1)

執筆者 : 山本 明尚 (239文字)

更新日:2020年1月23日
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荘重で熱烈な掉尾。モスクワの批評家サバネーエフは演奏会でこの曲を聴き、「全音階的スクリャービン」と呼んだ。事実、旋律よりもむしろ断片的な動機や和声の響きに重きを置く作風は、友人の作曲家を想起させずにはいられない。また、強奏される序奏は嬰ハ短調の上行音階からなっている。序奏の後、ベートーヴェンの交響曲第5番のいわゆる「運命の動機」を連想させる動機を経て、激情に満ち満ちたパッセージや和音連打が空間を満たしていく。36小節目から執拗に続く半音下行は、楽曲の悲劇性をより高めている。

執筆者: 山本 明尚