ラフマニノフ :エチュード(練習曲) 「音の絵」 第6番 Op.39-6 イ短調

Rakhmaninov, Sergei Vasil'evich:Etudes-tableaux Allegro a-moll Op.39-6

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:2分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (338文字)

更新日:2020年1月23日
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「赤ずきんと狼のイメージにインスパイアされた」とラフマニノフが語る有名な楽曲。作品33の《音の絵》から撤回された後、改訂を加えて本作に収録された。低音で奏でられる半音階上行とトッカータ的な内容により、童話の残酷で恐怖に満ちたムードが具現化されている。各拍に置かれ、スタッカートで示された旋律を軸に、同音連打を含む跳躍進行によって疾走感を生み出している。中間部の作りも巧みで、一度テンポを落とし、そこからどんどんと切迫感を増していくという構造が二度繰り返される形になっている。主部の主題そのものの輪郭は保ちつつも、主部と異なる奏法によって発展させられている点にも着目したい。

なお、主部の旋律が、同時期に構想が進められていた協奏曲第4番最終楽章の主題に類似している点も興味深い。

執筆者: 山本 明尚