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ラフマニノフ:前奏曲集(プレリュード)

作品概要

作曲年:1903年 
出版年:1904年 
初出版社:Gutheil
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:前奏曲
総演奏時間:34分00秒

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (1487文字)

更新日:2007年9月1日
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ラフマニノフは、《前奏曲 作品3-2》、《10の前奏曲 作品23》、《13の前奏曲 作品32》をのこしており、これらの計24曲の作品は、それぞれ異なった調性でかかれている。

この《10の前奏曲 作品23》は、1901年に作曲された5番を除き、1902年~03年にかけて作曲され、まとめて1903年に出版された。全曲通して演奏した場合、平均演奏時間は35分程度。

1.嬰ヘ短調 / 10 Preludes op.23-1 fis moll ラルゴ

陰影のある左手の分散和音にのせて、哀愁を帯びた単音の旋律が、右手でしっとりとうたわれる。

2.変ロ長調 / 10 Preludes op.23-2 B dur マエストーソ

曲集中もっとも華やかで技巧的な曲。大波のような左手のアルペッジョにのせて、激しく力強い主題が右手でうたわれる。中間部では右手にさざ波のような音型があらわれ、左手では叙情的な旋律がたっぷりと奏される。演奏時間も4分前後なので、コンサートのアンコール・ピースなどにも適しているだろう。

3.ニ短調 / 10 Preludes op.23-3 d moll テンポ・ディ・メヌエット

4分の3拍子、メヌエットのテンポで奏される、マズルカ風の曲。抒情的な中間

部をもつ。優雅な中にも時折みせる、おどけたようなリズムが印象的である。

4.ニ長調 / 10 Preludes op.23-4 D dur アンダンテ・カンタービレ

左手の分散和音の上を、非常に美しい単音の旋律が柔らかくうたわれる。アンダンテかつレガートで、息の長いメロディを奏さねばならないので、打鍵の方法や、耳の使い方には注意、工夫が必要であろう。

5.ト短調 / 10 Preludes op.23-5 g moll アラ・マルチャ

冒頭からいさましく、しかし自由に奏される行進曲風のリズムが印象的で、この前奏曲集の中でも最もよく知られている曲の一つ。中間部できかれるロマンチックな旋律も、ラフマニノフならではの美しさをもっている。和音やオクターブの連打が多いが、そのために体を力ませるような打鍵をすることは、避けなければならない。

ラフマニノフ自身の録音が、SPレコードと、自動ピアノで残されている。

6.変ホ長調 / 10 Preludes op.23-6 Es dur アンダンテ

美しい旋律、和声が非常に魅力的な作品。左手で16分音符がやわらかく上下する中で、甘美で幸福に満ちた旋律がオクターブで奏される。左右のバランスや、ペダリングにも注意をはらいたい。

7.ハ短調 / 10 Preludes op.23-7 c moll アレグロ

エチュード風で激情的な作品。全曲を通して、16分音符が勢いよくかけめぐり、その合間を旋律がオクターブで奏される。

8.変イ長調 / 10 Preludes op.23-8 As dur アレグロ・ヴィヴァーチェ

エチュード風の華やかな作品。右手で16分音符の分散和音が奏され、その下で、旋律が豊かな響きをもってうたわれる。

9.変ホ短調 / 10 Preludes op.23-9 es moll プレスト

エチュード風の作品で、難易度が高い。左手では分散和音、右手では、2和音が半音階的に変化しながら曲が進行する。

10.変ト長調 / 10 Preludes op.23-10 Gs dur ラルゴ

三部形式で、子守唄風の作品。冒頭からきかれる静かな和音の中に、左手の旋律が柔らかくうかびあがる。幸せに満ちた雰囲気をもっており、ラフマニノフ自身もこの曲を愛奏した。1940年の録音が残っている。

執筆者: 和田 真由子

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