ブルグミュラー : 25の練習曲

Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains Op.100

作品概要


楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:31分00秒

解説 (4)

総説 : 飯田 有抄 (1383文字)

更新日:2015年10月29日
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「ブルクミュラー 25の練習曲」と呼ばれ長らく親しまれているこのエチュードは、19世紀の半ばにフランスで誕生した。曲集のタイトルをフランス語の原題どおりに訳すと、『ピアノのためのやさしく段階的な25の練習曲——小さな手を広げるための明解な構成と運指 作品100』である。  作曲者のフリードリヒ・ヨハン・フランツ・ブルクミュラー(1806〜74)はドイツのレーゲンスブルクに生まれ、デュッセルドルフで育ち、26歳でフランスに渡ってパリで活躍した。当時のパリといえば、産業や鉄道インフラ整備が進み、芸術活動においても華々しい熱気を帯びた国際都市である。外国人のブルクミュラーは、同地の音楽文化の勢いに乗るようにしてピアノ教師、サロン音楽の作曲家、そしてバレエ音楽作曲家として名を馳せた。当時の彼の作品の出版状況やバレエ界から寄せられたコメント、そして時の国王ルイ=フィリップ1世よりフランス帰化許可状が与えられたところを見ると、彼の安定した仕事ぶりはパリの人々から信頼を集めていたことが窺われる。  「25の練習曲」作品100のエチュードを出版したのは1851年。作曲家としてはバレエ音楽の成功などですでに一定の評価を獲得し、ピアノ教師としてはベテランの域に到達していた45歳の頃である。彼の遺産や自筆譜などの大半は現存していないため、どのような経緯や目的でこのエチュードが作られたのかは定かではない。しかし、性格小品集や練習曲集があまた生まれた19世紀のピアノ文化最盛期にあって、ブルクミュラーは初心者たちのために、当時流行の音楽様式のエッセンスを伝え、同時に基本的なピアノの演奏技術の向上をはかることのできる良質なエチュードを作ろうとしたに違いない。「アラベスク」(シューマンに続く)や「バラード」(ショパンやリストに続く)など、最新のロマン派ピアノ曲らしい標題を取り入れ、「スティリエンヌ」「タランテラ」「舟歌」といった舞曲や性格小品の様式に、「小さな手」のピアノ学習者たちでも親しめるように、さまざまな工夫を凝らした。片手が1オクターブを超えた音域を押さえる曲はない。調号は4つまで(As durの「舟歌」が最多)。初版はどの曲も2ページ以内に収められている。ピアノ教師としての長年の経験から、当時の慣習や楽器の特性に見合ったフレージングや運指が施されている。  初版はパリのブノワ・エネ社から1851年に発売され、翌1852年にドイツの都市マインツにあるショット社からも出版された。現在ではインターネット上の電子図書館でこれらの初版譜が容易に確認できる。  なお、作品100は3巻組みを想定して書かれたエチュードのうちの第1巻にあたる。第2巻は「18の練習曲 作品109」(1858)、第3巻は「12の練習曲 作品105 」(1854)である。第2巻の「18の練習曲」は同時代のフランスの作曲家ステファン・ヘラーに、第3巻の「12の練習曲」は当時のパリ音楽院の院長であるD.F.E.オエベールに捧げられている。  ちなみに、ブルクミュラーはすでに1838年の段階で、3巻本からなる導入期用の教則本をヨーロッパ各地で出版している。このテキストは完全に初歩段階から学べるようになっており、「25の練習曲」は、レベル的にはその続きにあたることにも言及しておきたい。

執筆者: 飯田 有抄

総説 : 原 晶穂 (207文字)

更新日:2017年6月29日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (999文字)

更新日:2015年10月29日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (939文字)

更新日:2015年10月29日
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