close

ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 25の練習曲 舟歌 Op.100-22

Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains Barcarolle Op.100-22

作品概要

楽曲ID:23997
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:舟歌
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:表記ゆれの例: バルカロール

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎4 基礎5 応用1 応用2

楽譜情報:24件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (3)

解説 : 佐藤 卓史 (522 文字)

更新日:2022年1月31日
[開く]

 「舟歌(バルカローレ)」は、ヴェネツィアの運河を下るゴンドラの船頭の歌です。緩やかな6/8拍子で、波のような伴奏型と息の長い旋律線がその特徴です。メンデルスゾーンの無言歌集の中にある3曲の『ヴェネツィアの舟歌』を筆頭に、ショパンフォーレなど「舟歌」の名曲には枚挙にいとまがありません。ブルグミュラーの『舟歌』には、メンデルスゾーンのようなアルペジオの伴奏型はありませんが、ショパンの『舟歌』に登場する、小波を表す和音の伴奏型が用いられています。

演奏のポイント(原典 ♩.=72)

 靄の中、遠くから何かが少しずつ見えてくるように曲が始まります。左右のユニゾンをきれいに合わせて弾きましょう。8小節のsfのついた和音は、突然靄が晴れて視界が開けたかのように。13小節からのメロディー、息を長く歌うコツは、長い音符の次の音に注意することです。14小節の As 音は長く延びる間に減衰していき、次の Es を不用意に弾くとアクセントのように聞こえてしまいます。As の減衰に合わせて Es の音量をコントロール すること。18小節も同様です。28,29小節のスタッカートは短すぎないように。

(東音版「ブルグミュラー25の練習曲」(NS70)より)

執筆者: 佐藤 卓史

楽曲分析図 : 飯田 有抄 (12 文字)

更新日:2018年3月15日
[開く]

譜例提供:  音楽之友社

執筆者: 飯田 有抄

演奏のヒント : 大井 和郎 (834 文字)

更新日:2019年5月23日
[開く]

この曲のテンポ設定は、付点四分音符=72と設定されていますが、筆者個人の考えから、少し早めにした方が曲としてわかりやすいと思います。筆者の推薦テンポは付点四分音符=80位です。以下その理由を述べます。

冒頭ピアニシモで前奏が始まります。この1ー2小節間、ペダルを踏みっぱなしにすると濁りますので、ペダルは殆ど入れないとします。この、ピアニシモからさらにディミヌエンドで2拍目のAsに達するフレーズを、付点四分音符=72で演奏しますと、「ミステリオーソ」的に聴こえる恐れがあるからです。あまりにもテンポが遅いと、実に、不気味な音楽になりかねない事を懸念しているからです。皆さんはどのようにお考えになりますか?

複合拍子というのは、基本的に、前に前に止まることなく進んでいく音楽と理解します。この曲も6/8拍子ですので、ルバートをあまりかけることなく、音楽を止めないようにします。riten とin tempoの指示は、11ー12小節間、31ー33小節間のみにありますので、これは守りますが、指示のないところでrit をかけないようにします。ただし、最後の小節(48小節目)に入るとき、1秒ほど47小節目の最後の和音を余計に伸ばし、48に入るようにすると曲の終わりを告げることが出来ます。

その他の注意点:

全体を通し、和音進行はトニックとドミナントで進行します。そのため、As と Esがバスになっている小節が殆どです。その中で、例えば、17ー20小節間はバスが変わり、調も変わりますね。

とても感情的な部分です。止まることのないテンポの中で、たっぷりと表現します。37ー40も同様です。

メロディー音で、Aナチュラルが来るメロディー(22小節目1拍目、26小節目1拍目)の時、Aナチュラルは、色々な意見があるとは思いますが、筆者は非和声音(Chromatic Lower

neighbor)として考えます。実に色気のある、または強い感情表現です、それなりに強調されると良いでしょう。

執筆者: 大井 和郎

編曲・関連曲(3)

参考動画&オーディション入選(1件)

舟歌

楽譜続きをみる

楽譜一覧 (24)