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ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 25の練習曲 天使のハーモニー Op.100-21

Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains L'harmonie des anges Op.100-21

作品概要

楽曲ID:23996
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:表記ゆれの例: 天使の声 天使のこえ 天使の合唱 天使たちの合唱 天使のしらべ

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎4 基礎5 応用1 応用2

楽譜情報:24件
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解説 (3)

解説 : 佐藤 卓史 (472 文字)

更新日:2022年1月31日
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 ペダルの中に融けていくアルペジオの、倍音の多い豊かな響きが、第19曲「アヴェ・マリア」と同じような大聖堂の残響を想起させる1曲です。ここでも中間部の最後(16小節)で VI 度調ドミナントの半終止が用いられているのは偶然でしょうか。30小節のsfのついた和音、かつてはバスが Es の「ドイツ六の和音」とする版が一般的でしたが、最近は原典版通りバスは E の「減七の和音」をとる版が多くなってきました。

演奏のポイント(原典 ♩=152)

 左手から右手へ、右手から左手へ、アルペジオをなめらかに受け渡しする練習です。1,2小節のような大きな波状の音型はいいのですが、3,4小節のように受け渡し時に大きな跳躍が生じると難しくなります。13〜16小節ではバスと、右手の1指の反行をよく聴きましょう。 26小節の cresc. は、右手の音域の拡大とともに allargando のイメージで。28小節4拍目からの下降形は刺繍音を頭の中で括弧に入れて、D-H-G-D-H と思って弾きましょう。

(東音版「ブルグミュラー25の練習曲」(NS70)より)

執筆者: 佐藤 卓史

楽曲分析図 : 飯田 有抄 (12 文字)

更新日:2018年3月15日
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譜例提供:  音楽之友社

執筆者: 飯田 有抄

演奏のヒント : 大井 和郎 (1126 文字)

更新日:2019年5月23日
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この曲を演奏するにあたって考えなければならないことは主に2つあります。1つは、コリオグラフィー(choreography=演出法)、もう1つはペダリングです。コリオグラフィーは、専門的な、奥深い課題の1つですが、このように、優雅な曲を演奏する際には、柔らかで、ゆっくりで、しなやかな腕の動きが必要になります。

楽譜を見てみると、4分の4拍子ですが、左右の手が交互に登場しますね。特に、楽譜に書かれてある左右の指示を変更する必要もなく、この楽譜通りに弾いて良いと思います。休符が来たときには、手がもう一方の手に交代しますので、この際に手を上に上げるようにします。文章で説明するのは大変難しいのですが、前述した「柔らかで、ゆっくりで、しなやかな腕の動き」を用い、視覚的な効果も狙います。聴いている人達(観ている人達)に対して、決して焦りを感じさせてはいけません。かなりの余裕を持って美しく演出します。これが1つ。

もう1つはペダルをどうするかです。基本的には、1つの和音に対してペダルを1回踏みます。和音が異なればペダルを変えます。1ー2小節間、1小節に対し、ペダルを一本入れます。途中で変えるようなことをしません。3小節目をご覧下さい。この小節も1つの和音から構成されていますね(CEG)。筆者であれば1小節踏みっぱなしにしますが、1ー2拍、3ー4拍と2回踏んでも構いません。次の小節もおなじです。

5小節目をご覧下さい。構成和音はD Fis A C で、属7の和音ですね。ところがここに、経過音である非和声音のHが入っていますね。これがペダルを踏みっぱなしにしたときに、気になるかならないかという問題です。筆者であれば、気にせず、1小節踏みっぱなしにしますが、どうしても気になる方は、途中でペダルを変えることも出来ます。しかし、そうなると、1拍目の低音(バス)が失われます。低音は1拍目に来ますので、途中でペダルを変えれば、自動的に低音を失うのですね。そこで、フィンガーペダルを用い、1拍目の左手を指で伸ばしておきます。その間にペダルを変えれば、低音を失うことはありません。しかしながら、そうなると今度は、左手のコリオグラフィーも失われます(指を伴盤上に置いておかなければならないため)。多少の濁りは気にせず、ペダルは1小節踏みっぱなしすることをお勧めします。

6小節目も同様です。7小節目も同じ構成音ですが、ここはちょっと違います。ここは4拍目でペダルを変えることで、2ー3拍間の非和声音Gの濁りを解消できます。この場合、4拍目には低音がありますので、低音を失う事もありません。

以下、状況に合わせ、ペダルを変えるか、変えないか、ご自身で判断してみてください。

執筆者: 大井 和郎

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