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ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 25の練習曲 なぐさめ Op.100-13

Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains Consolation Op.100-13

作品概要

楽曲ID:23988
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:1分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:表記ゆれの例: コンソレーション

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:基礎4 基礎5 応用1 応用2

楽譜情報:24件
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解説 (3)

解説 : 佐藤 卓史 (471 文字)

更新日:2022年1月31日
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 前曲の別れの悲しみを慰めているのでしょうか。Consolation (コンソレーション、コンソラシオン)は、ブルグミュラーとも親交のあったリストのピアノ曲のタイトルとして有名です。 曲頭に書かれた lusingando は、辞書によっては「媚びるように」 などと説明されていますが、むしろ「やさしくあやす、なだめるように寄り添う」といったニュアンスがあります。 15小節の III 度調(ホ短調)での終止は少し風変わりですが、ブルグミュ ラーならではの和声進行です。

演奏のポイント(原典 ♩=152) 

 冒頭は1指を保続しながら、動かしにくい 4/5 指、3/4 指を独立させる練習。 8小節からは上声のメロディーを邪魔しないように、1指の保続音を静かに弾く練習です。11小節後半からの「A - G - Fis - G - A - G」も伴奏なので静かに。16小節からは左手で同様に、20小節からは逆に5指が伴奏の保続音になります。全曲を通してレガートで、内省的に弾きましょう。

(東音版「ブルグミュラー25の練習曲」(NS70)より)

執筆者: 佐藤 卓史

楽曲分析図 : 飯田 有抄 (12 文字)

更新日:2018年3月15日
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譜例提供:  音楽之友社

執筆者: 飯田 有抄

演奏のヒント : 大井 和郎 (1665 文字)

更新日:2019年5月10日
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この曲は、技術的にはそれ程難しくはありませんが、音楽的に大変難しい曲になります。バイナリー形式(2部形式)に近い形式で、前半・後半とも2回同じ事が繰り返されますので、奏者は平坦な演奏にならないように気をつけなければなりません。これに関しては後術します。

基本的に3つの素材から構成されているとお考え下さい。そしてこの3つの素材を弾きわけること(聴いている側に異なった素材として聴かせること)が重要なポイントになります。

1つめの素材: 1小節目、1拍目から始まる全音符の和音です。後半には見えなくなりますが,2分音符以上の長い音符は、伴奏の和音と考えます。

2つめの素材: 1小節目ト音記号、1拍目裏拍から始まる8分音符です。

3つめの素材: 8小節目、2拍目から始まる、4分音符で書かれてあるメロディーラインです。

それぞれ例を挙げながら見ていきましょう。

1小節目ー5小節間、1つめの素材と2つめの素材のみがあります。この時、1つめの素材の最も高い音、たとえば1小節目であればGの全音符、3小節目であればH、4小節目であればC、これらの音符と2つめの素材を混同して聴かせないようにします。人の耳にきこえるべき音は、1小節目の場合、DEDEDED であり、GDEDEDEDではありません。この1つめの素材が2つめの素材の1部として聴かせないようにするには、全音符をpppで、8分音符をmp位の音量の差を付けることで、人の耳には、これらの素材が分かれてきこえます。以下同様に処理します。

3つめの素材であるメロディーラインが出てくるのは8小節目からですね(厳密には7小節目にもそれらしい素材があります)。そこで当然なのですが、メロディーラインの4分音符と、同じト音記号に書かれてある8分音符は歴然と差を付けます。特に、ペダルトーンの役割を果たしているGの音は1の指ですね?1の指は1番力の強い指ですのでどうしても大きく弾いてしまいがちです。ぐっと音量を抑え、メロディーラインとの区別を付けます。一方のメロディーラインは、3つの素材の中ではもっともハッキリと目立っていなければなりません。

しかしながら、このメロディーラインを追っていくと辻褄の合わないことが起こります。メロディーラインの4分音符は、13小節目で一度終わりになります。しかしなんとも終わりらしくない終わり方ですね。そこで4分音符では書いてはいないものの、14小節目のHAisHC HAGFis はメロディーと考えます。15小節目も同じですが、15小節目は裏拍のHがペダルトーンと考え(2つめの素材と考え)、EGEのみをハッキリ弾きます。

さて、16ー23小節間は、8ー15小節間と1音たりとも違いません。全く同じ事が起きます。そしてそこで奏者の技量を問われるのは、この2つのセクションをどのように弾きわけるかという課題です。この2つのセクションを全く同じに弾かないように工夫します。その工夫は先生と相談して欲しいのですが、たとえば、それは強弱の違いであったり、ルバートの違いであったりします。どれが正しくてどれが間違っていると言うことではなく、とにかくどこかが異なっているように、そしてそれが聴いている方にあきらかに伝わるようにします。これがこの曲の演奏において最も難しい部分ではないかと思います。

そしてBセクションである、24小節目の新しいメロディーは31小節目で区切りが付きます。しかし、32ー38小節間も、24ー31小節間と全く(39の3拍目からcodaになりますので、ここは若干異なります)同じですね。強弱記号を見てみても、全く同じに書かれています。このセクションも、全く同じ2つのセクションを(24ー31と32ー38)、全く同じように弾かずに、何かしらを異ならせて下さい。

最後に、41小節目、1拍、3拍とペダルを変え、更に、4拍目でもペダルを変えます。何故なら3拍目裏拍のDisが濁りの原因となるからです。ritenが入りますのでなおさらペダルに対する注意が必要になります。

執筆者: 大井 和郎

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なぐさめ

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