1 アーティキュレーションに関して
2 テンポルバートに関して
この曲は、4分音符が176と書かれてあります。大体このくらいのテンポで良いと思いますし、これより速くても良いかもしれません。ただし、あまりにも遅すぎたり、アーティキュレーションに切れが鈍かったりすると、せっかくの楽しい曲も楽しくなくきこえてしまいます。この曲の演奏のヒントはまず楽しく聴かせることです。
そのためには、まず右手のスタッカートが重くならないように短く切り、左手の伴奏にはスタッカートは書いていませんが、8分休符がありますね。左手も軽快に短く切って演奏して良いと思います。
そしてよく奏者が陥る問題に「メトロノームに近い演奏」になってしまうことがあります。この曲はある程度のルバートが必要になります。一定の、狂いの無いテンポでは無く、自由な引き延ばしが欲しい曲です。これが1つ重要なポイントです。
奏者がテクニック的に大変な部分は、29小節目、31小節、33小節目のそれぞれの右手の跳躍にあります。まずは1拍目から2拍目だけを練習します。29小節目を例に取りましょう。1拍目右手のFから高いDに飛びますね。ここだけ(1ー2拍間)を抜粋して練習します。その時に必ず左手と一緒に練習をするようにします。何故なら、左手の場所が右手の場所を覚える助けになるからです。同様に左手も右手を頼り、お互いに頼りながら場所を覚えることができます。
まずは右手のFを弾いたらDに飛びますが、その時、Dを弾かず、伴盤の上に乗せるだけの練習を何度かしてみます。Fは弾いて、Dは弾きません。ただし指が乗っかっていなければなりません。Fを弾いたら素早く、さっとDの上に指を置いてください。左手も同様で、弾かずに指を伴盤の上に置くだけにしておきます。
何度かやって慣れてきたら、今度は置いた指を下に下ろして、実際に音を出します。これを何度か繰り返すと、ふつうに弾いたとき必ず当たるようになります。
次に2拍目から3拍目を練習します。そして最後に1ー3拍間を練習します。同様の練習を他の、31小節目と33小節目も行います。