まず形式から把握しましょう。
1-2小節間 3-4小節間 5-8小節間 の3つのフレーズが前半
9-10小節間 11-12小節間 13-14小節間 15-16小節間 の4つのフレーズが中間部
17-18小節間 19-20小節間 21-24小節間 の3つのフレーズが後半
25-30小節間 Coda
になります。
次に各フレーズのdirection(方向性)を知っておきましょう。方向性とは、フレーズの中でどの音に向かっていくか、どの音に導かれるかということで、必ずしも向かう音の音量が大きいと言うことではありません。
1-2小節間 3-4小節間 4つめの音がゴールの音になる。5-8小節間 6小節目1拍目が
ゴールの音。
9-10小節間 11-12小節間 13-14小節間 15-16小節間 各フレーズ4つめの音。
17-18小節間 19-20小節間 21-24小節間 前半と同じ
Coda 25-26小節間 27-28小節間 29-30小節間 それぞれ4つめの音。
になります。
次に音量について知っておきましょう。
1 前半 1-2小節間、 3-4小節間、 5-8小節間 の音量の差を付ける。5-8小節間を最も大きくするようにコントロールします。ただしあくまでpの範囲内であまり大きくしすぎないようにします。
6小節目はサスペンションやパッシングトーンが出てきて、感情的にも愛くるしい部分になりますので、十分にそれを表現します。指導する際には、生徒さんにサスペンション(掛留音)やパッシングトーン(経過音)が無いヴァージョンも弾いて聴かせる。
各フレーズの最後の音は、弾くと言うよりは触れる感じで、決して力を入れません。
2 中間部 9-10小節間よりも、11-12小節間を少し大きくしておきます。何故なら13-14小
節間でカラーを変えなければならないからです。
17小節目以降、左手が大きくなりすぎないように注意します。またその際にテンポも速くならないように注意します。
21小節目 内声は重要ですが、トップの方が重要です。24小節目、スタッカートは不要です。
このスタッカートはフレーズの終了を意味するもので、次の音と区別させる役割と考えます。
27小節目はpocoなのであまりリテヌートをかけません。30小節目、少し29から時間をかけてゆっくり弾きます。
この曲の和声を分析すると、借用和音が出てくる場所や、非和声音が出てくる場所は、とても感情的で感傷的です。このような部分は気持ちを込めて弾きましょう。
例:5-6小節間 13-14小節間 21-22小節間
そして、決してメトロノーム的にならないこと(硬く聞こえる原因になります)、ダイナミックが平坦にならないこと、和音のバランスは常にトップを出して、メロディーラインを際立たせる事等が大切なことです。