シューベルト:即興曲集

Schubert, Franz:4 Impromptus D 899

作品概要

作曲年:1827年 
出版年:1827年 
初出版社:Haslinger
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:即興曲
総演奏時間:26分00秒

解説 (1)

執筆者 : 稲田 小絵子 (636文字)

更新日:2007年2月1日
[開く]

シューベルト晩年の作品である。この頃の彼は、まるで人生の残り時間を知っているかのように精力的に作品を生み出した。同時期の作品には、重く暗い雰囲気をもつリート集《冬の旅》がある。実際、例えばこの即興曲集の第1番は、そのリズムと重々しい和音によって、葬送行進曲を想起させる。

シューベルトの作品では調設計の巧みさが際立っているが、この即興曲集も例外ではない。調と調の移行部分にも、また細部の一時的な借用和音にも、色彩的な変化の美しさが感じられる。

なお、「即興曲」というタイトルは、出版社のハスリンガーが与えたものである。

第1曲:アレグロ・モルト・モデラート、ハ短調、4/4拍子。

自由な変奏形式をとり、冒頭主題がさまざまな声部と調をさまよう。和声的な変化が絶妙な1曲である。

第2曲:アレグロ、変ホ長調、3/4拍子。

シューベルトの即興曲の中で最もポピュラーな1曲であろう。タイトルにふさわしい軽やかな三連符の流れをもつ。

第3曲:アンダンテ、変ト長調。4/2拍子。

調性、拍子ともにやや特異であり、初版ではト長調、2/2拍子に変更されてしまったほどである(その後、19世紀末の全集版で原典どおりに戻された)。非常に息の長い旋律が六連符の織り成す豊かな響きにのって歌われる。

第4曲:アレグレット、変イ長調、3/4拍子。

冒頭は同主短調の変イ短調で始まる。トリオ部分は嬰ハ短調つまり冒頭の下属調(異名同音)をとる。異名同音を利用した転調が、スムーズでありながらも印象的な進行をもたらしている。

執筆者: 稲田 小絵子

ピティナのYoutubeチャンネル(17)

楽譜

楽譜一覧(38)