1830年にウィーンで完成され、ショパンの姉ルドヴィカに送られた作品。慣例的にノクターンの1つに数えられているが、これは、ルドヴィカの編纂したショパンの未発表作品の目録の中で「ノクターンの様式のレント」と記されているからであり、恐らく、ショパン自身はノクターンと命名しなかったと推測されている。そのため、速度表示の「Lento con gran espressione」がそのままタイトルとして使われることも多い。ルドヴィカに送られた手稿は、後にショパンの父の友人で、民俗学者・音楽家のOskar Kolbergによって筆写され、それをもとに1875年に初版が出版された。