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グリーグ : 抒情小品集 第1集

Grieg, Edvard Hagerup : Lyriske smastykker No.1 Op.12

作品概要

作曲年:1867年 
出版年:1867年 
初出版社:Horneman
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:13分30秒

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (1204文字)

更新日:2007年10月1日
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1867年、《ピアノ協奏曲イ短調 作品16》で一躍有名になったグリーグは、この年から1901年にかけてこの作品集を書き上げた。抒情小品は生涯にわたって作曲されているため、グリーグの作風、ピアニズム、その変遷すべてがその中にあらわれており、作品群の中でも中心的な存在にある。

いずれも1分~6分程度の小品であり、ステージ用というよりは、主にサロンや家庭で広く親しまれていた。どの曲にも標題がつけられており、それぞれの曲に対して、一つの感情、気分、情景が表現されている。

1867年、第1集を発表したが、その後ピアノ、作曲、指揮など多忙だったこともあり、第2集が発表されたのは、その16年後であった。第2集から第10集はある一定の間隔をおきながら続けて作曲された。全10巻で、計66曲の作品がおさめられている。

抒情小品集 第1集 / Lyriske smastykker No.1 op.12

全10集中、最も易しいものだが、グリーグの洗練された魅力が凝縮されており、特に人気が高い。ピアノ初心者の教材としても適している。

1.アリエッタ / op.12-1 "Arietta":性格小品。3つ声部からなり、儚くも美しい旋律がソプラノで歌われ、それをアルペッジョとバスの音が支えている。アーティキュレーションを意識して。

2.ワルツ / op.12-2 "Vals":左手できざまれるワルツのリズムにのせて、右手でどこか大人びた色気のある旋律が軽やかに奏でられる。

3.夜警の歌 / op.12-3 "Vaegtersang":性格小品。シェイクスピアの『マクベス』の上演からインスピレーションを得た曲。簡潔な中にも、非常に洗練された美しさがある。

4.妖精の踊り / op.12-4 "Elverdans":スケルツォ的な性格をもち、メンデルスゾーンの曲に登場する妖精の舞を想像させる。正しいリズムで、軽やかに奏する。

5.民謡 / op.12-5 "Folkevise":憂いを帯びたようなノルウェー風の旋律が舞曲のリズムにのせてうたわれる。フレーズのまとまりを意識して奏する。

6.ノルウェーの旋律 / op.12-6 "Norsk":心が躍るような力強い民俗舞踊が冒頭からきかれる。フォルツァンドが不規則におかれており、その変化が曲により躍動感を与えている。

7.アルバムの綴り / op.12-7 "Stambogsblad":1865年に出版された。コペンハーゲンで出版された音楽季刊誌において発表された曲。ソプラノと、テノールで旋律が対話するようにあらわれる。

8.祖国の歌 / op.12-8 "Faedrelandssang":性格小品。1869年に出版された。ノルウェー賛歌であり、ビョルンスチェルネ・ビョルンソンが歌詞をつけてグリーグが男性合唱用に編曲したものも同時に出版された。国歌風の威厳や誇りが感じられる。

執筆者: 和田 真由子

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