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リスト :イゾルデの愛の死(ワーグナー) S.447 R.280

Liszt, Franz:Isoldes liebestod (Wagner) S.447 R.280

作品概要

作曲年:1867年 
出版年:1867年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:リダクション/アレンジメント
総演奏時間:11分00秒

解説 (2)

総説 : 上山 典子 (772文字)

更新日:2015年5月21日
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ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》最終場面(第3幕の終結部)の劇的なアリアに基づく《イゾルデの愛の死》は、原曲の初演から2年後の1867年に完成した。ワーグナーの分厚く豊かな対位法的テクスチュアをわずか10本の指で演奏するために、リストは楽譜上で一音一音を対応させる忠実さではなく、演奏効果上の近似を追求する手段をとった。  アルペッジョ、トレモロ、和音連打、そしてペダルの多用に加えて、こうした技巧を扱いこなす演奏者の豊かな表現力により、リストの《愛の死》はピアノ一台でオーケストラに匹敵する絶え間ない音のうねり、官能的で甘美な響きを生み出す。そしてロ長調のまばゆく神々しい響きのなかで、イゾルデの法悦が再現されることになる。  終盤の壮大なクライマックス部分で、リストは大譜表を越えて、三段譜を用いるに至る。ピアノにおけるオーケストラ的な響きを要求する際に用いるこの三段譜は、過去、リスト自身のピアノ曲では《超絶技巧練習曲》の第4曲〈マゼッパ〉、またピアノ編曲ではベートーヴェンの交響曲第3番、葬送行進曲のファンファーレ部分、そして《ローエングリン》の第3幕への前奏曲を扱う《祝典と婚礼の歌》などでも確認される。  原曲の第2幕第2場〈愛の二重唱〉からの引用に基づく4小節の前奏は、編曲作業の最終段階で付加された。またワイマール古典主義財団の資料館、ゲーテ・ウント・シラー・アルヒーフに所蔵されている自筆譜から、リストがこの導入部を少なくとも3度書き直していたことが分かっている(Hamilton, 2009)。この4小節に対する後世の評価は分かれているが、原曲の最終場面で登場する「愛の歌の動機」が〈愛の二重唱〉ですでに姿を現していることから、リストの前奏は唐突な挿入なのではなく、両場面のつながりを巧みに扱ったものと理解できるだろう。

執筆者: 上山 典子

演奏のヒント : 脇岡 洋平 (1248文字)

更新日:2017年8月28日
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ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕から「イゾルデの愛の死」のアレンジ