ブラームス : 6つの小品

Brahms, Johannes : 6 Stücke Op.118

作品概要

作曲年:1893年 
出版年:1893年 
初出版社:Simrock
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:25分00秒

解説 (4)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (894文字)

更新日:2010年1月1日
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ブラームス最晩年の作品の一つ。初期・中期の、オーケストラをそのままピアノに移したような雄大な曲想のソナタ・変奏曲を数々書いた後、1871年の「8つの小品 作品76」から「4つの小品 作品119」まで5つの小品集を書いている。ここでブラームスは、かつて多くの歌曲の中で見せた独特の和声調和や詩的内容の凝縮を再び試みた。ここで表現される感情の変化はもはや過ぎ去った過去の物であり、かつての若かった自分を懐かしむような穏やかな哀愁に満ちた旋律が心に深く残る作品である。その中でもこの作品118は最も演奏されることの多い作品だろう。

第1番「間奏曲」イ短調:上下に動く分散和音によって醸し出されるブラームス特有の音域の広い和声が非常に美しい。調性はイ短調だがへ調ドミナントではじまり最後はイ長調で終わり第2番への余韻を残す。

第2番「間奏曲」イ長調:この作品のなかでも特に単独で演奏されることが多い。懐かしさを感じさせる第1部では、同じモチーフの旋律が何度も確かめるように様々な和声進行で表れ、中間部では「かつての」思いが短調でメランコリックに、そして長調で内面的に奏される。

第3番「バラード」ト短調:前曲とは異なり力強い和音による情熱的な曲。中間部では一見つながりの薄いロ長調に移るが、ここで年老いたブラームスが表現したかったものは何だろうか。

第4番「間奏曲」へ短調:調性はへ短調に移るが、やはりここでも「かつての」激情だろう。左右交互に現れる三連符が落ち着かない印象を与える。一変して中間部では極めてシンプルな和声進行だけである。

第5番「ロマンス」へ長調:ブラームスは標題への意識は少なかったと思われるが、このタイトル「ロマンス」はこの曲の甘い曲想には誠に的を得ている。中間部の流れるような旋律は若い日の回想だろうか。

第6番「間奏曲」変ホ短調:迫り来る何かに対する不安さを切実に感じさせる暗い曲想で、主調をなかなか確立させない。中間部ではかつてのソナタなどの大作を思い起こさせる重厚な和音とオクターブを多用した、堂々とした雰囲気を醸し出すが長くは続かず、最後は疲れ果てたように静けさの中で終わる。

楽曲分析 : 屋野 晴香 (1247文字)

更新日:2014年3月20日
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成立背景 : 屋野 晴香 (865文字)

更新日:2014年3月20日
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総説 : 屋野 晴香 (582文字)

更新日:2014年3月20日
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