作品概要
解説 (1)
執筆者 : 齊藤 紀子
(1034 文字)
更新日:2007年10月1日
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執筆者 : 齊藤 紀子 (1034 文字)
作品のタイトルの《ドリー》とは、作曲当時フォーレが親しくしていたバルダック家の幼い娘エレーヌの愛称であり、この曲集は彼女の誕生日を祝って毎年1曲ずつ書き上げられていった。全曲が3部形式で書かれている。
第1曲目の<子守唄>は、1893年に作曲され、その翌年に単独で出版されている。アッレグレット・モデラートのホ長調で4分の2拍子。中間部ではハ長調に転ずる。
第2曲目の<ミ・ア・ウ>は、1894年6月20日の日付が付されている。アレグロ・ヴィーヴォのヘ長調、4分の3拍子。軽やかさと愛らしさを兼ね備えたリズムが特徴的である。
この曲のタイトルをめぐって、次のようなことが言われている。曲集を贈られたエレーヌには、ラウルという名の兄がいた。しかし、まだ舌のよく回らないエレーヌが呼ぶと「メッスュ・アウル(ムッシュー・アウル)」となってしまう。フォーレは、この誤った発音をそのままタイトルとして付した。しかし、出版社のアメル社が、現在のタイトルに変更したとされている。
第3曲目の<ドリーの庭>は、1895年1月1日の日付が付されている。アンダンティーノのホ長調で4分の3拍子。メロディーが印象深い。
第4曲目の<キッティ・ワルツ>は、1896年6月20日の日付が付されている。テンポ・ディ・ヴァルスの変ホ長調。時折挿入される上昇音型が際立っている。
この曲も、本来は<ケッティ・ワルツ>というタイトルであった。ケッティとは、前述のエレーヌの兄、ラウルの飼っていた犬の名である。従って、タイトルに反して、この曲集には本来、猫が一匹も存在しなかったこととなる。
第5曲目の<優しさ>は、1896年に作曲された。アンダンテの変ニ長調で4分の3拍子。冒頭4小節のメロディーの臨時記号を用いた記譜が巧妙である。
第6曲目の<スペインの舞曲>の作曲年は、1897年とも1896年とも言われている。アレグロのヘ長調で8分の3拍子。活き活きとしたリズムが特徴的である。
曲集全体は、1897年にアメル社から出版され、翌年、パリでエドワール・リスラーとアルフレッド・コルトーにより初演された(コルトーは、この曲集をピアノ・ソロのために編曲している)。
尚、この《ドリー》は、ドビュッシーの《子供の領分》と並べて評価されることがある。このことは、エレーヌの母親のエンマが後のドビュッシー夫人となり、その子供シューシューのために作曲された作品が《子供の領分》であるため、ある意味で文字通りの姉妹作品となっている。
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