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エルガー :愛の挨拶 Op.12

Elgar, Edward:Salut d'amour Op.12

作品概要

楽曲ID:6560
作曲年:1888年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:3分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

総説 : 長井 進之介 (691文字)

更新日:2018年3月12日
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エルガーは、音楽を愛する両親から受けた影響と教育によって、音楽と文学への強い愛情を育んだ。ドイツという国とその音楽に憧れを持ちながらも、経済的理由により留学を断念するなど、決して恵まれた教育を受けてきたとはいえないが、真摯な音楽への愛情と地道な努力と研究、更に文学に対する造詣の深さによって自身の音楽性を深めていった作曲家である。

学校を卒業後、弁護士事務所で事務員として働くもすぐにそれを辞し、16歳で音楽家としての人生を歩む決意をしたエルガーは、演奏、作曲及び編曲、さらには指揮も行いながら、ピアノやヴァイオリンのレッスンも行っていた。やがて彼は29歳の時にキャロライン・アリス・ロバーツという弟子を取ることになる。後にエルガーの妻となるキャロラインは、彼を社会的、精神的に、さらに音楽の面でも助言を与えるなどして支えており、エルガーはそんな彼女に1888年、婚約の贈り物として「愛の挨拶」を捧げたのであった。この作品はもともとヴァイオリンとピアノのために書かれたが、作曲者自身の手によって様々な編成に編曲された。ピアノ独奏版もその一つである。

全体はA(ホ長調)-B(ト長調)-A’(ホ長調)の3部形式で、最後にコーダが置かれている。軽やかに流れる伴奏音型の上で、4小節単位で語り掛けるような旋律が歌われていく。四分音符と八分音符の組み合わせによる平易な旋律と和声進行で構成されているが、音型の上行、下行を逆転させたり、シンコペーションのリズムの重きを置く部分を動かすといった細かい工夫が随所に見られる。また、半音階進行の効果的な使用が、作品に豊かな色彩と甘美な表情を与えている。

執筆者: 長井 進之介

解説 : 上田 泰史  (543文字)

更新日:2021年1月29日
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