《無言歌集》とならんで、子どものための練習用教材としてよく使用される曲集の一つ。難易度はソナチネ程度であり、無理なテクニックを用いることなく、ロマン派音楽に親しむことができる。いずれも、1~4ページの小曲。
1.ト長調 / op.72-1 G dur(1842)
4声で書かれている。3部形式によっており、ニ長調の中間部をもつ。
上声部をきかせながら、他声部とのバランスも考慮して演奏する。また、フレーズのまとまりを意識する。
2.変ホ長調 / op.72-2 Es dur(1847)
「ゆっくりと、一つ一つの音をよく保って」。旋律をうきあがらせ、それ以外の音が邪魔にならないように注意する。また、フレーズのまとまりも意識する。
3.ト長調 / op.72-3 G dur(1842)
4声体で書かれている。第一曲目と同様に、主旋律と、それ以外の音とのバランスを考慮すること。また、スタッカート、スラー、付点のリズムなど、奏法の変化を楽しみながら弾きたい。
4.ニ長調 / op.72-4 D dur(1847)
バスの音の移行を感じながら、主旋律をうきたたせて演奏する。また、それ以外の音は邪魔にならないように注意する。拍子感と、フレージングによるまとまりを意識したい。
5.ト短調 / op.72-5 g moll(1847)
アレグロ・アッサイ。スタッカート奏法で、軽やかに奏される。強弱にメリハリをつけ、また、スタッカートであっても、フレーズのまとまりを意識した体の使い方をするとよいだろう。
6.ヘ長調 / op.72-6 F dur(1847)
第5曲目と同様に、スタッカート奏法による躍動的な曲。軽やかさの中にも、拍子感、拍節感を意識する。