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ブラームス :ピアノ・ソナタ 第1番 Op.1 ハ長調

Brahms, Johannes:Sonate für Klavier Nr.1 C-Dur Op.1

作品概要

作曲年:1852年 
出版年:1853年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:29分00秒

解説 (1)

執筆者 : 和田 真由子 (928文字)

更新日:2007年7月1日
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この曲の手書きのスコアには、「ソナタ第4番」という書き込みがあり、ブラームスの最初のソナタではない。出版の都合がおもな原因で、作品1となったが、実際は、作品3やソナタや作品4のスケルツォよりあとに作曲されたものである。

第1、2楽章は1852年4月に、3、4楽章は1853年春にそれぞれハンブルクで作曲された。

このソナタは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「ヴァルトシュタイン」と「ハンマークラヴィーア」からの影響が顕著にあらわれている。しかしその一方で、当時流行の表題的な傾向とも無縁ではない。のちのブラームスのピアノ音楽の特徴となる、ダイナミックな動きや広い音域の活用なども認められる。若きブラームスのあふれんばかりの情熱が注ぎ込まれた大作であり、ブラームス自身もこのソナタに自信をもっていたようである。

全曲は第1楽章の第1主題の進行形で統一されている。

第1楽章:アレグロ、ハ長調、四分の四拍子。ソナタ形式。はじめの第一主題は、ベート

ーヴェンの「ハンマークラヴィーア」の冒頭主題と酷似していることが話題になった。

第2楽章:アンダンテ、ハ短調、四分の二拍子。自由な変奏曲の形をとる。「古いドイツのミンネリートによる」と記されていて、楽譜では、主題12小節の旋律にその歌詞がつけられている。ブラームスがのちに編曲した49曲からなる「ドイツ民謡集」の第49曲も、この歌詞をもっている。その歌詞の大意は次の通りである。

独唱:ひそやかに月はのぼる

合唱:青い青い小さな花(月のことをさす)

独唱:しろがねの小雲をぬいつつ天ののぼる

合唱:青い青い小さな花

ばらは谷間に、乙女は広間に

おお世に美しきばらよ

この詩は楽章全体の性格や、音楽の表情を示している。

主題に三つの変奏が続く楽章で、切れ目なく、次の楽章につづく。

第3楽章:アレグロ・モルト・エ・コン・フォーコ、ホ短調、八分の六拍子。スケルツォ、三部形式。この楽章も、次の楽章に切れ目なくつづく。

第4楽章:アレグロ・コン・フォーコ、ハ長調、八分の九拍子。ロンド形式で、A-B-A-C-A-コーダの形をとっている。スコットランドの民謡的な詩人の詩「わが心はハイランド」のドイツ語訳から霊感を受けてこの楽章を書いたといわれている。

執筆者: 和田 真由子

楽章等 (4)

第1楽章

総演奏時間:10分00秒 

楽譜(0)

第2楽章

総演奏時間:5分30秒 

楽譜(0)

第3楽章

総演奏時間:6分00秒 

楽譜(0)

第4楽章

総演奏時間:7分30秒 

楽譜(0)