ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 Op.49-2
Beethoven, Ludwig van : Sonate für Klavier Nr.20 G-Dur Op.49-2
作品概要
出版年:1805年
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : 岡田 安樹浩
(978 文字)
更新日:2010年3月1日
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執筆者 : 岡田 安樹浩 (978 文字)
Op.49-1と同様「やさしいソナタLeichte Sonate」の名がつけられており、出版順につけられたソナタの番号は「第20番」であるが、推定される成立時期は第3番と第4番の間である。なお自筆譜は消失しており、初版譜に記されたデュナーミクは、第2楽章における2箇所の“pp”のみである。
第1楽章 ト長調 2分の2拍子 ソナタ形式
主和音とその分散和音による決然とした開始は、Op.49-2のそれとはかなり対照的である。分散和音の8分3連音は、後の推移とコーダにおいても重要な役割を果たす。
8分3連音の分散和音による推移(第15小節~)を経て、8分音符3つのアウフタクトによって印象づけられる副次主題(第21小節~)が、属調のニ長調であらわれる。8分3連音の音階パッセージによる推移(第36小節~)を経て、コーダ(第49小節~)では主要主題からの推移部を回想する。
展開部(第53小節~)はニ短調の主要主題によって開始され、イ短調を経てホ短調へ向かう。属音(ロ音)の保続連打と3度の重音による経過的なパッセージを挟み、主調での主題再現を迎える。ソナタ形式の再現部直前では、主調の回復を確立するために主調の属音が保続音としてあらわれることが頻繁に見られるが(ベートーヴェンのソナタにおいても同様で、例えばOp.2-1, 2-3, 10-1のそれぞれ第1楽章を参照されたい)、このように平行短調の属音を保続することは、このソナタが「やさしいソナタ」という学習向けと考えられる楽曲であることも踏まえれば、革新的な一面といえよう。
再現部(第67小節~)では、両主題ともが主調で再現され、コーダの拡大もなく楽章を閉じる。
第2楽章 ト長調 4分の3拍子
七重奏曲Op.20、第3楽章の主題と、この楽章のメヌエット主題は同じ素材によっている。リピート記号は持たず、楽曲の構成はロンド形式的である。
付点リズムのアウフタクトによって特徴づけられたメヌエット主題の後、音階パッセージによる推移を経て属調(ニ長調)の優美な主題(第28小節~)があらわれる。付点リズムの連なりに導かれて、メヌエット主題が回帰する(第48小節~)。
ファンファーレ風の主題が下属調(ハ長調)であらわれた後、再びメヌエット主題が回帰し、主題の付点リズムと2度下行の要素の反復がコーダを形成し、楽曲を閉じる。
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