ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第20番 第1楽章 Op.49-2

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.20 1.Satz Allegro ma non Troppo

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:4分30秒
ピティナ・ステップレベル:発展1
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解説 (1)

解説 : 岡田 安樹浩 (559文字)

更新日:2019年2月16日
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第1楽章 ト長調 2分の2拍子 ソナタ形式

主和音とその分散和音による決然とした開始は、Op.49-2のそれとはかなり対照的である。分散和音の8分3連音は、後の推移とコーダにおいても重要な役割を果たす。

8分3連音の分散和音による推移(第15小節~)を経て、8分音符3つのアウフタクトによって印象づけられる副次主題(第21小節~)が、属調のニ長調であらわれる。8分3連音の音階パッセージによる推移(第36小節~)を経て、コーダ(第49小節~)では主要主題からの推移部を回想する。

展開部(第53小節~)はニ短調の主要主題によって開始され、イ短調を経てホ短調へ向かう。属音(ロ音)の保続連打と3度の重音による経過的なパッセージを挟み、主調での主題再現を迎える。ソナタ形式の再現部直前では、主調の回復を確立するために主調の属音が保続音としてあらわれることが頻繁に見られるが(ベートーヴェンのソナタにおいても同様で、例えばOp.2-1, 2-3, 10-1のそれぞれ第1楽章を参照されたい)、このように平行短調の属音を保続することは、このソナタが「やさしいソナタ」という学習向けと考えられる楽曲であることも踏まえれば、革新的な一面といえよう。

再現部(第67小節~)では、両主題ともが主調で再現され、コーダの拡大もなく楽章を閉じる。

執筆者: 岡田 安樹浩