ハイドン :ソナタ 第60番 Hob.XVI:50 op.79 ハ長調
Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.60 C-Dur Hob.XVI:50 op.79
執筆者 : 齊藤 紀子 (552文字)
1794-1795年、イギリスを訪れた際の作曲であることから「イギリス・ソナタ」と呼ばれるHob. 50-52の3曲のソナタの第1曲目。全3楽章から成る。ハイドンのピアノ・ソナタとしては、比較的規模が大きいもの。
第1楽章のハ長調はアレグロの4分の4拍子。冒頭の6小節間、左手は主音のみを奏するが、主題は活発な印象。第2主題(第34小節~)への移行部では、左手で奏する第1主題に右手の音階的な動きが伴う。展開部(第54小節~)では、この形が随所に見られる。フェルマータを経て続く再現部(第108小節以後)では、第1主題に手を加えられているが、その旋律線は明確に示される。この楽章は、ハイドンによる「オープン・ペダル」の指示で知られている。
第2楽章のアダージョは4分の3拍子。ヘ長調による。3部形式で書かれており、楽章全体を通して装飾的な音に満たされた気品溢れる性格を持つ。中間部(第24小節~)はハ短調で開始する。そして、第3部(第34小節~)では、第1部の変奏で、更に細かい音価による装飾的な音の動きがみられる。
第3楽章のアレグロ・モルトは4分の3拍子で、第1楽章と同じハ長調による。変奏曲とロンド形式を合わせたような形だが、冒頭の主題は多様な形に展開されており、特定の形式にあてはめて考えるのが難しい。
第1楽章
総演奏時間:11分30秒 課題曲チャレンジ2020:F級
動画(4)
解説(1)
楽譜(7)
第2楽章
総演奏時間:5分30秒
動画(3)
第3楽章
総演奏時間:2分00秒
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