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フォーレ :3つのノクターン Op.33

Faure, Gabriel:3 Nocturnes Op.33

作品概要

作曲年:1875年 
出版年:1883年 
初出版社:Hamelle
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ノクターン
総演奏時間:18分00秒
ピティナ・ステップレベル:展開1,展開2,展開3

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (1376文字)

更新日:2010年1月1日
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第1曲目のレント、変ホ短調の初演は、1885年2月の国民音楽協会にてマリ・ジャエルにより行われている。ジャエル(1846~1925)は、モシェレスらにピアノを、フランクとサン=サーンスに作曲を師事した音楽家。この第1番の夜想曲は、画家のウジューヌ・ボニの妻、マルグリト・ボニ夫人に捧げられている。ボニ夫人(1850~1930)は、1870年から1930年にかけて、パリで音楽を中心としたサロンを催しており、このサロンには、シャブリエ、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル、プーランク等、今日にその名が伝わる音楽家たちが集い、交流する格好の場でもあった。因みに、ボニ夫人は、後年、1892年に彫刻家のサン=マルソーと再婚している。

第1番のこの夜想曲は3部形式で書かれており、瞑想的な雰囲気で開始する。この冒頭部が再現される際には手が加えられ、展開される。これは、その後のフォーレの夜想曲に全般的に見られる手法である。中間部では低音域で第2のモティーフが現れる。これは、葬送行進曲を思わせる。とりわけ、16分音符から成る6連音符が、音楽が進むにつれ、ますます不安を掻き立てるようである。その後、一転して、不安から解き放たれるかのように、ト長調の優美なメロディーが高音域で歌われる。このメロディーは、後に半音高い変イ長調で再現される。やがて1本のラインから派生したかのような経過句が挿入される。素朴なようで憂愁さも帯びたメロディーは巧妙な和声進行によるものだろう。その後冒頭の言わば「ドゥムカ」の部分が再現される際には、前述の通り手が加えられ、経過音や前打音により一層なめらかなものとなっている。殊に、16分休符と半音階の使用が全体の輪郭をぼやかす効果をもつ。終結部分の変へ音は、主音への回帰=休息への願いを想起させる。

第2曲目は、1881年頃に作曲されたと考えられている。このロ長調の夜想曲は、ルイーズ・ギヨン夫人に捧げられている。第1番と同様に、3部形式で書かれており、アンダンティーノ・エスプレッシーヴォの指示がある。冒頭から、メロディーが語りかけるように歌い始める。この部分が12小節続いた後、アレグロ・マ・ノン・トロッポのロ短調の部分へと移る。ここでは一転して、静かにざわつくような雰囲気を醸し出す。ディナーミクの変化が目まぐるしい。コーダでは、中間部で現れたロ短調の動機がロ長調で提示される。

第3曲目は、この3つの夜想曲が出版された1883年に作曲された。初演は、1886年1月の国民音楽協会にてボルド=ペーヌ夫人により行われている。ボルド=ペーヌ夫人(1858~1924)は、音楽研究家であり作曲家であったシャルル・ボルド(1863~1909)の義姉にあたるピアニストである。彼女は、パリ音楽院で1872年にプルミエ・プリを獲得している。変イ長調のこの第3番の夜想曲を捧げられたのは、A. ボオモレツ夫人である。ボオモレツ夫人は、音楽愛好家として知られているカミーユ・クレルク(1828~1882)の2度目の妻の姉にあたる。クレルクは当時、パリのモンソー街に構えた自宅で、頻繁に室内楽の演奏会を催していた。アンダンテ・コン・モートのこの夜想曲も、第1番、第2番と同様に、3部形式で書かれている。しかし、その形としては、3曲中最も簡素に書かれている。

楽章等 (3)

第1番 Op.33-1

調:変ホ短調  総演奏時間:7分00秒 

解説(0)

楽譜(0)

第2番 Op.33-2

調:ロ長調  総演奏時間:6分00秒 

解説(0)

楽譜(0)

第3番 Op.33-3

調:変イ長調  総演奏時間:5分00秒 

解説(0)

楽譜(0)

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