メシアン 1908-1992 Messiaen, Olivier
解説:平野 貴俊 (1064文字)
更新日:2014年1月20日
解説:平野 貴俊 (1064文字)
メシアンのピアノ曲は20世紀ピアノ音楽の最も重要なレパートリーの一部である。ピアノ曲はメシアンにとって創作の根幹をなすジャンルであり、メシアンは70年以上におよぶ創作活動を通して数々のピアノ作品を世に送り出した。《トゥランガリラ交響曲》(1946-1948)などの代表的な管弦楽曲でピアノがしばしば独奏楽器として扱われていることも注目される。ピアノ曲を創作するときメシアンが念頭においたのは、彼の妻であり長らく活動を共にしたピアニスト、イヴォンヌ・ロリオ(1924-2010)の高度な技術と読譜力である。メシアンのピアノ曲を特徴づける個性的な音型や和声の多くは、ロリオの演奏からインスピレーションを得て考案されている。
独奏ピアノないし2台ピアノのためにメシアンが書いた作品は全部で65曲あり、総演奏時間は8時間を超える。2つの大規模な曲集、《幼な子イエスにそそぐ20のまなざし》(1943)と 《鳥のカタログ》(1956-1958)はそれぞれ、メシアンの音楽全体を貫くテーマである神への愛と自然への愛を象徴する作品である。次に重要なのは、作曲家としてのキャリアの最初期に書かれた《前奏曲集》(1928-1929)、ロリオとの出会いから刺激を受けて作曲された《アーメンの幻影》(1943)、トータル・セリーの原理にもとづく《4つのリズム・エテュード》(1949-1950)である。このほか、《4つのリズム・エテュード》と同系列に属する《カンテヨジャーヤー》(1949)、《鳥のカタログ》の延長線上に位置する《ニワムシクイ》(1970)、《鳥の小スケッチ》(1985)などがある。
これらの作品は次の4つのカテゴリーに分けることができる:
(1)初期の作品(《前奏曲集》)
(2)第2次世界大戦期およびその直後に書かれた神学的テーマの作品
(《アーメンの幻影》、《幼な子イエスにそそぐ20のまなざし》)
(3)実験期の作品(《カンテヨジャーヤー》、《4つのリズム・エテュード》)
(4)鳥の歌を用いた作品(《鳥のカタログ》、《ニワムシクイ》、《鳥の小スケッチ》)
ピアノのパートが重視される管弦楽曲としては《トゥランガリラ交響曲》のほか、《神の臨在のための3つの小典礼曲》(1943-1944)、《鳥たちの目ざめ》(1953)、《異国の鳥たち》(1955-1956)、《7つの俳諧》(1962)、《天の都の色彩》(1963)、《峡谷から星々へ…》(1971-1974)などがある。また《ハラウィ》(1945)などの歌曲でもピアノが用いられている。
作品(21)
ピアノ独奏曲 (4)
曲集・小品集 (10)
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歌とピアノ (2)