
解説:岡田 安樹浩 (307文字)
更新日:2009年1月1日
解説:岡田 安樹浩 (307文字)
ピエール・ブーレーズは1925年フランスのモンブリゾン生まれ。リヨンで数学などを学んだ後、パリ音楽院でアンドレ・ヴォラブール(6人組の1人アルテュール・オネゲルの妻)やオリヴィエ・メシアンに対位法や作曲を師事。
音楽院を中退後、シェーンベルクやヴェーベルンの弟子として知られるルネ・レイボヴィッツに学び、音列技法へ傾倒する。この傾向はさらに推し進められ、第2次世界大戦終結後、1947年から始まったドイツのダルムシュタット夏季現代音楽講習会に参加した経験もともなって「トータル・セリエリズム(総音列主義)」へ行き着く。2台ピアノのための《構造》(1952/1961)は、この技法によって作曲された代表的な作品である。
解説 : 齊藤 紀子
(586 文字)
更新日:2008年8月1日
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解説 : 齊藤 紀子 (586 文字)
フランスの作曲家。3曲のピアノ・ソナタの他、2台ピアノのための作品を創作している。パリ音楽院でメシアンに和声を師事した。また、対位法をアンドレ・ヴォラブールに、十二音技法をレボヴィツに個人的に学んでいる。ルノー・バロー劇団の音楽監督を務めた他、マリニー小劇場音楽会を創設した。後者は、「ドメーヌ・ミュジカル」となってフランス現代音楽の普及に貢献した。ダルムシュタット夏期音楽講習会での講義は、シュトックハウゼンやノーノと共に「ダルムシュタットの三羽烏」と呼ばれるほど名高い。バーゼル音楽院やハーヴァード大学院でも指導にあたる等、音楽の教授への関わりを強くもつようになった1960年代には、指揮者としての活動も積極的に展開した。ブーレーズの功績は、1970年代に創設し自ら所長も務めたIRCAM(音響と音楽の探求と調整の研究所)や、現代音楽の演奏を専門とする「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の創設にもみられる。また、執筆活動も精力的に行っている。
作風は、第二次ヴィーン楽派やメシアンの影響を受けたところから出発し、それを独自の手法に展開させた。セリーを音高だけではなくリズム等の他の音楽の構成要素にも適用した他、セリーの操作を精緻な数理的構造に活用した。ブーレーズの音楽を語る際には、「抽象的印象主義」や「迷宮の形式」、「管理された偶然性」といった語句が用いられる。
作品(7)
ピアノ独奏曲 (2)
ソナタ (3)