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イベール :リリパットの村のいたずらっ子

Ibert, Jacques:L'espiègle du village de Lilliput

作品概要

作曲年:1937年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:1分00秒

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (1064文字)

更新日:2019年9月30日
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作品概要

出版年 1937年

初出版社 R. Deiss (のち Salabert)

楽器構成 ピアノソロ

総演奏時間 1分

1937年のパリ万博は、不穏な国際情勢下で開幕しながらも、趣向を凝らした各国の出展が話題を集めて盛況となった。万博の開催を記念し、マルグリット・ロンが中心となって2種のピアノ曲集が企画刊行された。1つはフランス人作曲家8人(オーリック、ドラノワ、イベールミヨープーランクソーゲシュミットタイユフェール)の作品を集めた “À l’Exposition” (博覧会にて / Deiss 刊)、もう1つはパリ在住の外国人作曲家9人(チェレプニンマルティヌーモンポウ、リエティ、オネゲルアルフテルタンスマン、ミハロビッチ、ハルシャニー)の作品を集めた “Parc d’Attractions-Expo 1937” (1937年万博の遊園地 / Max Eschig刊)である。いずれも各作曲家の個性が発揮されていることに加え、戦間期最後の歴史的イベントの種々の場面をあざやかに活写した記録となっており興味深い。

各国のパビリオンとは別に万博会場に設けられた遊園地(Parc d’Attractions)の一角に、ジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」に出てくるリリパット王国(Le Royaume de Lilliput)を再現したミニチュアセットがあった。本作品はこれに取材したものである。ト長調、4分の2拍子、アレグロ・ヴィヴァーチェ、ABAの簡素な三部形式で軽妙な曲想を持つが、ミクソリディア旋法が用いられどこかひなびた風趣もある。イベールの代表的なピアノ曲集「物語」と同じ傾向を示す洗練された小品である。

マルグリット・ロンは同時代の音楽に関心を寄せて多くの新作の初演に携わり、門下にも積極的に演奏するよう奨励したことで知られた。本作品の初演は1937年6月25日、博覧会場内の「女性と子供と家族館」(Pavillon de la Femme, de l’Enfant et de la Famille)にて、ロンの門下生であった8歳の少女、フランソワーズ・ゴベ(Françoise Gobet)により行われた。ゴベはのちにパリ音楽院ピアノ科を首席で卒業し、フランスの現代曲を得意とするピアニストとして名声を博した。

執筆者: 西原 昌樹
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