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プーランク :15の即興曲

Poulenc, Francis:15 Improvisations

作品概要

楽曲ID:1483
作曲年:1932年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:即興曲
総演奏時間:24分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 齊藤 紀子 (1629文字)

更新日:2008年6月1日
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次の6曲は、1932年に作曲された。

第1番 ロ短調 4分の4拍子

左右の手で紡ぎ出す1本のラインで始まり、曲が進むにつれてテクスチュアを変化させていく。途中で、僅かながら4分の2拍子に変化する部分がある。

第2番 変イ長調 8分の3拍子

左右の手による並進行を主体とした曲。

第3番 ロ短調 2分の2拍子

テクスチュアが多様に変化する曲。多声的な部分では、各声部の役割が明確に書き分けられている箇所と、せわしなく入れ替わる箇所とがある。また、ユニゾンとなる部分もある。曲の終わり近くには、1小節分のみ、2分の1小節が挿入されている。

第4番 変イ長調 4分の4拍子

3段譜で書かれた曲。音域も、幅広く扱っている。冒頭にプレスト・コン・フォーコの指示が添えられている点、最下声部の音価が主として長い点などから、響きの厚みがある曲となっている。また、途中で、僅かながら、4分の2拍子や4分の5拍子となる部分がある。

第5番 イ短調 4分の4拍子

この曲のメロディーは半音階的である。主として、多声的に書かれているが、1つの音を複数の声部で共有する手法がとられている。また、途中で、僅かながら、4分の2拍子や4分の3拍子となる部分がある。

第6番 変ロ長調 2分の2拍子

リズムのおもしろみのある曲。そのようなリズムで響きが小気味よく変化していく。

次の曲は1933年に作曲された。

第7番 ハ長調 4分の4拍子

メロディーの弧の大きさの大小がフォーレを想起させる曲風。このメロディーには、適度に半音的な音の動きが含まれている。1927年の<ノヴェレット 第1番>にも通じるものを感じさせる。途中で、僅かながら、4分の2拍子や4分の3拍子となる部分がある。

次の3曲は1934年に作曲された。

第8番 イ短調 4分の2拍子

メロディーは、付点のリズムや半音階的な音の動きを特徴的に用いている。最後は、7の和音の分散和音を上昇させた後に、低音を1つスタッカートではじいて終わる。

第9番 ニ長調 4分の2拍子

この曲のメロディーは、跳躍音程を主体としながらそこに半音階的な音の飾りが施されたものである。そして、スタッカートや「2音スラー」が多用されている。また、途中で、僅かながら、4分の3拍子となる部分がある。

第10番 <音階賛美> ヘ長調 4分の4拍子

文字通り、音階を多用した曲。主として、3つの声部で構成されているが、どの声部も音階を扱っている。但し、それらの音階の音の変わり目は各声部により異なる。そのため、そのようにして組み合わされた音階が生み出す響きのおもしろみが味わえる。途中で、僅かながら、4分の2拍子となる部分がある。

次の2曲は1941年に作曲された。

第11番 ト短調 4分の4拍子

和音が歌い上げるメロディーに、弾むような分散オクターヴが添えられた曲。

第12番 <シューベルト讃> 変ホ長調

この曲で、プーランクは、ワルツによってシューベルトを讃えている。リサイタルのアンコールにふさわしいような小品である。

次の2曲は1958年に作曲された。

第13番 イ短調 4分の3拍子

この時はまだ完成していなかった<ノヴェレット 第3番>のメランコリックな情緒を想起させる曲風。この曲のメロディーは、哀愁の漂うものでありながら、さらりと歌われる。そして、幅広い音域を扱う伴奏が添えられている。

第14番 変ニ長調 8分の6拍子

主として、3つの声部で書かれている。そして、曲線を描きながら幅広い音域を扱っている。途中で、僅かながら、8分の3拍子となる部分がある。

次の曲は1959年に作曲された。

第15番 <エディット・ピアフ賛> ハ短調 4分の3拍子=8分の9拍子

タイトルにある通り、エディット・ピアフへのオマージュとなっている。旋回するようなメロディーが甘くせつない、歌心のある曲。最下声部は、メロディーと反進行をしたり、音価の長い音で支えたりしながら、メロディーと影ながらのデュエットを仕立てている。

執筆者: 齊藤 紀子

楽章等 (15)

第1番

調:ロ短調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

第2番

調:変イ長調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第3番

調:ロ短調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第4番

調:変イ長調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第5番

調:イ短調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

第6番

調:変ロ長調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第7番

調:ハ長調  総演奏時間:2分00秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

第8番

調:イ短調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第9番

調:ニ長調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第10番 「音階賛美」

調:ヘ長調  作曲年:1932  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第11番

調:ト短調  総演奏時間:1分00秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第12番 「シューベルトをたたえて」

調:変ホ長調  作曲年:1932  総演奏時間:2分00秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第13番

調:イ短調  作曲年:1932  総演奏時間:2分00秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第14番

調:変ニ長調  総演奏時間:1分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

動画0

編曲0

第15番 「エディット・ピアフを讃えて」

調:ハ短調  作曲年:1932  総演奏時間:2分30秒  ステップレベル:展開1,展開2,展開3

参考動画&オーディション入選(5件)

近藤 由貴
近藤 良太(入選)
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鈴木 直美
プーランク:エディットピアフを讃えて