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ベートーヴェン : バガテル 「エリーゼのために」 イ短調 WoO 59

Beethoven, Ludwig van : Bagatelle 'Für Elise' a-moll WoO 59

作品概要

楽曲ID:446
作曲年:1810年 
出版年:1867年
初出版社:Stuttgart
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:バガテル
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:ロンド形式。楽譜を発見、出版したノールが「テレーゼ」を「エリーゼ」と読み違えたという説が有力である。

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用6

楽譜情報:193件

解説 (2)

総説 : 中塚 友理奈 (240 文字)

更新日:2015年5月12日
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1810年に作曲され、1867年にシュトゥットガルトのL. ノールが出版した『ベートーヴェン新書簡集』の中で出版された。ベートーヴェンの周囲にエリーゼという名の女性がいないために、これまで様々な説が挙げられている。ベートーヴェンが心を寄せていたテレーゼ・マルファッティのために作曲された(「エリーゼ」は「テレーゼ」を読み間違えた)とする説がとりわけ有名だが、エリーザベト・レンケル(後にフンメルと結婚)とする説もあり、その真相は現在も不明である。

なお、バガテルとは「小品」の意味。

執筆者: 中塚 友理奈

楽曲分析 : 中塚 友理奈 (381 文字)

更新日:2015年5月12日
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曲は8分の3拍子で、着想を探るような短2度の反復によるアウフタクトで始まる。原版では冒頭にPoco Motoと書かれているが、自筆のスケッチにはMolto graziosoと書かれていた。

A-B-A’という三部構造を取っている。Aに当たる部分はアルペッジョに基づくイ短調の楽節a(第1~8小節)とハ長調の楽節b(第8~23小節)という2つの対照的な楽節から成っている。  Bでは分散和音の上でハ長調の明るい旋律が奏でられる(第23~38小節)。その後、再び楽想aが悩ましげに回帰してA’に入る。

A’では低音が連打され、ホ短調、イ短調の借用和音へ移ろう不安定な楽節d(第60~82小節)が置かれ、即興的なフィオリトゥーラ(第78~82小節)を経て、最後にもう一度楽節a(第82~104)小節が現れ曲を閉じる。104小節の中に様々な気分の対比が凝縮された作品である。

執筆者: 中塚 友理奈

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