ホーム > ベートーヴェン > ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調

ベートーヴェン :ピアノ・ソナタ 第27番 Op.90 ホ短調

Beethoven, Ludwig van:Sonate für Klavier Nr.27 e-moll Op.90

作品概要

作曲年:1814年 
出版年:1815年 
初出版社:Steiner
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:12分30秒

解説 (1)

執筆者 : 小崎 紘一 (706文字)

更新日:2010年1月1日
[開く]

この時期のベートーヴェンはかつての湧き出るほどの創造力を失い、深刻なスランプ状態にあった。聴力の喪失に加え、実年齢から来る体力の衰え。年金の減額による経済的打撃。生涯をかけたといってもよい結婚の失敗。発表する作品の数も少なくなり、その全てが傑作ぞろいともいかなくなっていた。しかし、周囲の評価は相反して非常に高く、ナポレオンが没落し、ヴィーン会議の機運高まるオーストリアで彼は名士として成功していた(その評判もヴィーン会議が終わると同時に収束してしまうのだが)。

ピアノソナタとしては4年ぶりの作品となる。2楽章構成で、それぞれソナタ形式、ロンド形式が採用されており、構成上大きな特徴はないが、ここに込められている深い情感はそれまでの同ジャンルのそれとは凡そ質の異なるものになっている。楽想がドイツ語で記されている点なども含め、久しぶりに着手したピアノソナタには明らかに展望としては大作志向の孤高期へ向かう道程が感じられる。また、シューベルトやシューマンらロマン派様式のピアノ作品の先駆ともいえそうな展開を見せている点も指摘できる。第二楽章の主題―――カンタービレでうたわれるゆったりとした旋律が構造の基盤になっている―――といった部分はシューベルトのピアノ作品でも耳にすることが出来る。

第一楽章 Mit Lebhaftigkeit und durchaus mit Empfindung und ausdruck

(速く、そして終始感情と表情をともなって)

第二楽章 Nicht zu geschwind und sehr singbar vorgetragen

(速すぎないように、そして十分に歌うように奏すること)

執筆者: 小崎 紘一

楽章等 (2)

第1楽章

総演奏時間:6分00秒 

解説(0)

第2楽章

総演奏時間:6分30秒 

解説(0)