各々3曲から成る4つの曲集により構成された全12曲の舞曲集。既成の曲を利用することなく、各舞曲を独創的に創造している。尚、各曲のタイトルは、アメリカで出版された楽譜に基づいている。
第1曲目の<メヌエット>は、ト長調の4分の3拍子。リズミカルで力強い性格を持つ。
第2曲目の<オリエンタル>は、ハ短調の4分の3拍子。印象深いアルペジオに乗り、哀愁を帯びたメロディーが歌われる。
第3曲目の<サラバンダ>は、ニ長調の4分の3拍子。この舞曲は、バロック期の洗練されたサラバンドとは印象が異なり、エネルギーがみなぎる、より原初的な舞曲である。
第4曲目の<ビリャネスカ>は、ト長調の4分の2拍子。<ビリャネスカ>とは、「村人の歌」の意味である。この曲は、牧歌的な雰囲気を持ち、鈴の音が印象的である。
第5曲目の<アンダルーサ>は、ホ短調の8分の6拍子。ギターの編曲により、この曲集の中最も名高い作品となった。ギター風の伴奏と、哀愁を帯びたメロディーが組み合わされる。
第6曲目の<ロンダリア・アラゴネーサ>は、ニ長調の4分の3拍子。「ロンダリア」とは、「民族的な弦楽団」を意味する。
第7曲目の<バレンシアーナ>は、ト長調の4分の3拍子。「バレンシア」は、オレンジの産地として有名なスペイン東海岸の町の名である。躍動的で、変化に富んだ曲。
第8曲目の<アストゥリアーナ>は、ハ長調の4分の2拍子。スペイン北部にあるアストゥリア地方の舞曲である。明るく快活な性格を備えている。
第9曲目の<マズルカ>は、変ロ長調の4分の3拍子。ポーランド的なマズルカとはやや異なり、スペインらしい、躍動感溢れる舞曲である。
第10曲目の<悲しき舞曲>は、ニ長調の4分の3拍子。様々な表情を持ち、変化に富んだ曲となっている。
第11曲目の<サンブラ>は、4分の3拍子。ト長調で記譜されているが、音楽としてはフリギア旋法が特徴的である。<サンブラ>とは、グラナダ地方のムーア人の舞曲。
第12曲目の<アラベスカ>は、イ短調の4分の3拍子。