全214小節からなり、バルトークのピアノ小曲の中では比較的よく知られた作品。
バルトークは1908年頃から実験的なピアノ作品群を残しているが、1911年にかかれたこの作品は、その最後に位置するものである。西欧の伝統的なピアノ書法とともに、ハンガリー民謡研究から得た民族的語法が生かされており、バルトークの個性を周囲に印象づける作品となった。バルトークが31歳の時に作曲された。
全体は、3つのリズム主題からなるロンド形式。3全音や半音階が顕著にきかれ、また打楽器的なピアニズムによって原初的な印象が与えられている。「バルバロ」とは「野蛮な」という意味をもっており、このタイトルは、バルトークの作品がパリの批評家に「野蛮な」ものだと評されたことから、あえてつけられたものだといわれている。
デュナーミクの強烈な変化が印象的であるが、演奏の際は、体を無理に力ませたような乱暴な打鍵はさけなければならない。テンポ・ジュストで奏する。