作品概要
解説 (1)
解説 : 西原 昌樹
(448 文字)
更新日:2024年6月16日
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解説 : 西原 昌樹 (448 文字)
更新日:2024年6月16日
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1928年8月作曲。ミゴ自身による管弦楽版もある。音楽評論家、詩人のルネ・シャリュ(René Chalupt 1885-1957)への献呈。詩作もするミゴとシャリュとは詩人同士の交流があった。シャリュの詩には、ルーセル、オベール、ドラージュ、サティ、オーリック、ミヨー、タイユフェール、リヴィエら同時代の多くの作曲家がこぞって歌曲を書いたことでも知られる。4分の4拍子、柔軟性をもって(Avec souplesse)、調号なし(開始と終止はイ短調)。冒頭から中低音域の単音で哀調を帯びた旋律が息長く歌われる。弦楽器のボウイング、とりわけチェロ一本によるモノローグを思わせ、ピアノの発音減衰に抗うような粘りがある。あるいはこれを男声によるレチタティーヴォのように聞く人もあろう。次第に声部が加わりポリフォニックに展開するが、速度や拍子に大きな転換はなく、思索的な曲想が一貫する。初演後のル・メネストレル誌上では、本作が静謐なたたずまいのうちに、美しく幸福な色調で苦悩が表現されているなどと評された。
執筆者:
西原 昌樹
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