20歳代の1927-28年に書かれた第1,2番と、約30年後の59年に作曲された第3番がまとめられた曲集。しばしば最初の2曲だけで《2つのノヴェレッテ》と称されることもある。
第1番は詩的で優しい雰囲気をもつ。穏やかではあるが、細かな装飾や中間部に現れる軽やかな楽想によって可愛らしい一面もみせる。音楽愛好家であるリエナール叔母に捧げられた。第2番は、小気味よい独特のリズムと和音が印象的である。献呈はドビュッシー派の音楽批評家ルイ・ラロワ。そして第3番は、ファリャのバレエ音楽《恋は魔術師》の中の主題を基に、メランコリックな表情を感じさせる美しい曲に仕上げられている。献呈は友人のギブソン。
なお「ノヴェレッテ(ノヴレット)novelettes」とは、ドイツ語の「ノヴェレッテNovelette(短編小説)」をフランス語に転用したものである。