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モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第12番ヘ長調

Mozart, Wolfgang Amadeus : Sonate für Klavier Nr.12 F-Dur K.332

作品概要

作曲年:1783年 
出版年:1784年 
初出版社:Artaria
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:18分30秒

解説 (1)

執筆者 : 岡田 安樹浩 (1078文字)

更新日:2009年11月1日
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このソナタは、K.330K.331とともに1784年にアルタリア社から3曲まとめて出版されたソナタ集の第3曲にあたる(作品の成立年代についてはK.330の項目を参照されたい)。

第1楽章 ヘ長調 4分の3拍子

主要主題は、分散和音の流麗な動機と、3度の重音による付点リズムと同音反復が特徴的な角笛風の動機からなる。分散和音と下降音階による移行部(第23小節~)は、二短調、ハ短調を経て、ハ長調(属調)の副次主題(第41小節~)があらわれる。充填リズムが特徴的な移行部(第56小節~)、コーダ(第86小節~)を経て前半を閉じる。

後半(第94小節~)は主要主題の素材を用いてハ長調(属調)で開始され、続いて副次主題移行部の素材があらわれる。ハ短調、ト短調、二短調と転調を繰り返してヘ長調のドミナントへ至り、主要主題の主調再現(133小節~)が始まる。移行部を経て副次主題を主調で再現(第177小節~)して楽章を閉じる。

第2楽章 変ロ長調 4分の4拍子

主調と属調による2つの主題をもつ2部分形式の緩叙楽章。後半部分(第21小節)では両主題とも主調であらわれて楽曲を閉じる。

なお後半部分が、モーツァルトの自筆譜とアルタリアの初版譜とが大幅に異なっていることから、新モーツァルト全集ではその両方を収録している。

この違いというのは、初版譜において細部にわたって細かな装飾が施されているのに対し、自筆がそうした装飾をほとんど含んでいないということである。当時の演奏慣習では、同じ楽想を繰り返した際に即興的に変奏することはごく当たり前のことであったが、モーツァルトがそうした装飾法の一面を印刷楽譜として世に出したことは、興味深いことである。

第3楽章 ヘ長調 8分の6拍子 ソナタ形式

トッカータ風の技巧的な主要主題によって開始され、主題の確保(第7小節~)の後に、冒頭とは対照的なカンタービレ風の第2の主要主題(第15小節~)があらわれる。長い移行部(第22小節~)を経て、第2の主要主題と親近性をもつ副次主題(第50小節~)がハ短調あらわれると、今度はトッカータ風の第2の副次主題(第65小節~)がハ長調であらわれる。

後半(第91小節~)はハ短調で開始され、まず第1の主要主題の素材があつかわれる。続いて、副次主題への移行楽想や分散和音など経過的な楽想によって、調性を変ロ長調から主調のドミナントへと移行させ、下行音階パッセージから主要主題の再現(第148小節)へなだれ込む。

コーダでは移行部の楽想を用いて、楽章の冒頭は対照的に「消え入るようにCalando」楽章を閉じる。

執筆者: 岡田 安樹浩

楽章等

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