モーツァルト : ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
Mozart, Wolfgang Amadeus : Konzert für Klavier und Orchester Nr.23 A-Dur K.488
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 稲田 小絵子
(713 文字)
更新日:2007年10月1日
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執筆者 : 稲田 小絵子 (713 文字)
1786年春の予約演奏会のために作曲された作品(初演の正確な日付は不明)。当時まだ新しい楽器であったクラリネットは前作に引き続きこの作品でも取り入れられており、ときおりその丸みを帯びた音を控えめながらも主張している。木管を中心とした編成によって全体的に落ち着き引き締まった作品に仕上がっている。作曲家自身が「クラリネットがなければヴァイオリンやヴィオラに移してもよい」と言うように、楽器編成は絶対的なものではなかったのだが、いずれにしてもトランペットとティンパニを欠いたこの編成は室内楽的な親密さをもっている。
この作品の特筆すべき点は、構成と旋律の美しさということを除けば、カデンツァにあるだろう。モーツァルトのピアノ協奏曲では、第20番以降のほとんどの作品にカデンツァは残されていないのだが、この第23番(および第27番)だけは、第1楽章に作曲家自身によるカデンツァが書き入れられているのである。即興的な意味合いの強いカデンツァをも詳細に書き記すことによって、ひとつの完成された作品を意図したのだろうか。
第1楽章:アレグロ、イ長調、4/4拍子。協奏的ソナタ形式。明朗で澄んだ響きをもつ。モーツァルト自身によるカデンツァは短めに仕立てられ、技巧的であるけれども内面的な深みをも見せるものである。
第2楽章:アダージョ、嬰ヘ短調、6/8拍子。三部形式。メランコリックな楽章。ピアノによる旋律に管弦楽が彩りを添える。
第3楽章:アレグロ・アッサイ、イ長調、2/2拍子。ロンド形式。快活なフィナーレ楽章。全体的に華やかなパッセージの多い独奏ピアノは、エピソードの先導的役割や管弦楽を従えた旋律を受け持つなど、前面に押し出されて活躍する。
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録音日:2021年8月19日
録音場所:サントリーホール 大ホール(2021年ピティナ・ピアノコンペティション 特級 ファイナル)
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録音日:2021年8月19日
録音場所:サントリーホール 大ホール(2021年ピティナ・ピアノコンペティション 特級 ファイナル)
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