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スクリャービン :3つの練習曲 Op.65

Scriabin, Alexander:3 Etudes Op.65

作品概要

作曲年:1912年 
出版年:1913年 
初出版社:Jurgenson
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
総演奏時間:7分00秒
著作権:パブリックドメイン

解説 (1)

執筆者 : 齊藤 紀子 (580文字)

更新日:2008年4月1日
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1912年にスイスで作曲された。神秘主義的な芸術理念への関心が高まっている時期の作品である。和声の語法としても、機能和声に準拠せずに、属7や属9の和音を主体とした独自のスタイルを確立した頃の作品である。また、3曲とも多調で書かれているのが特徴的である。

第1曲目は、長9度の重音を連続して弾く練習曲。属7や属9の和音を短3度や3全音の積み重ねで配置させている。この重音は半音階的に動くが、全音音階の和声が付されている。

第2曲目は、長7度の重音の練習曲。この重音も前曲と同様に、半音階的に動く。長7度というのは本来、不協和な響きのもつものであるが、その響きを属7や属9の和音でカバーし、叙情的な響きへと転換させている。3連音符が多用される。

第3曲目は、完全5度の重音の練習曲。隣り合う重音は完全4度の音程をなすことが多い。また、5度とオクターヴにより構成された和音も多用される。

この練習曲集は、9度・7度、5度と重音の音程幅を狭めて進行し、独創的な作風を見せている。スクリャービンの独創性は、自己中心的な性格で知られる彼自身の中で完結することはなかった。彼はこの作品を前衛的なものとみなしており、妻のタチヤーナに世間の反応を気にする内容の手紙を書き残している。こうしたスクリャービンの作品は、プロコフィエフらをとりこにした他、メシアンの作品にも影響を及ぼしている。

執筆者: 齊藤 紀子

楽章等 (3)

第1番 Op.65-1

調:変ロ長調  総演奏時間:3分00秒 

第2番 Op.65-2

調:嬰ハ長調  総演奏時間:2分00秒 

第3番 Op.65-3

調:ト長調  総演奏時間:2分00秒