ブラームス : パガニーニの主題による変奏曲 イ短調 Op.35
Brahms, Johannes : Variationen über ein Thema von Paganini a-moll Op.35
作品概要
作曲年:1862年
出版年:1866年
初出版社:Rieter-Biedermann
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:24分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : 和田 真由子
(786 文字)
更新日:2007年7月1日
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執筆者 : 和田 真由子 (786 文字)
1862年、ブラームスは生活の本拠をウィーンに移した。彼は、ここで出会った名ピアニスト、カール・タウジヒ(1841~1871)の技巧に、完全に魅了された。彼はブラームスと正反対と言えるくらいに性格が違っていたが、二人はすぐに意気投合し、一緒に演奏や議論を楽しんだ。
ブラームスはシューマンの作品3と作品10、リストの〈パガニーニの主題による練習曲〉の先例をみるにつけ、自分もそういう練習曲をつくってみようとも考えていた。そこに、このタウジヒが、パガニーニの主題による華やかな変奏曲をかかないか、とブラームスに提案したことが、作曲の動機となった。
この作品35の変奏曲は、各14の変奏からなる2冊のものとなっており、合計28の変奏がある。各変奏ごとに演奏技巧上の問題をつぎつぎと提示しており、技巧的に至難ともいえる練習曲である。ブラームスは、この曲に、「精巧な指のためのピアノの練習曲」と記した。主題は2冊ともパガニーニの無伴奏ヴァイオリンのためのカプリス第24番イ短調からとられている。
リストの弟子、ローゼンタールがこの曲を演奏するようになったとき、リストは、「このブラームスの曲は、自分のよりよい」と言った。しかし、さらにつづけて、「だが自分のはこれよりも10年以上も前につくられているのだ」と付け加えることも忘れなかった。
また、ローゼンタールが、これら28曲は続けて演奏されるべきものかどうかブラームスに問うたところ、ブラームスは「第一冊のあと休みをとればよい。しかしそれでも聴衆が満足していないようであれば、次の第二冊に移ればよい」と冗談を言ったということである。
初演は、チューリヒで1865年11月、ブラームス自身によって行われ、また、1867年3月、ベルリンでタウジヒが演奏を行った。また、作品は、ブラームスの弟子、エリーザベト・シュトックハウゼンに献呈されている。
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