作品概要
楽曲ID:17966
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:17分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:17分50秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
解説 : 渡邊 真里子
(566 文字)
更新日:2024年6月2日
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解説 : 渡邊 真里子 (566 文字)
更新日:2024年6月2日
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「太陽と雲」は、フィンランドがソ連との冬戦争から継続戦争の時代に作曲された。「ピアノ協奏曲第5番」の制作の傍らで作曲された。1942年夏に完成して、同年12月に初演された。楽譜は、同年12月にスウェーデンのカール・ゲルマン社から出版された。
12か月の各月に標題を付けて作曲された、チャイコフスキーのピアノ曲集「四季」(Op . 37b)との比較は避けられない。チャイコフスキー同様に各曲に季節を感じる標題が付与されている。ロマン主義の優美なチャイコフスキーと比較すると、戦争の続く時代に作曲された「太陽と雲」は、どの曲も簡素で静謐な影が移ろい、超絶的な技巧、華麗さとは距離を置いている。しかし、北欧独特の季節感が滲み出ている。
曲に現れる和音の構成、その連結手法は、パルムグレンが生涯を賭けて追求した、煌めきのある、印象派の特徴を持つ、響きの美しさを極めた。春の陽光、夏の歓喜、秋の陰影、厳しい寒さに耐える冬と、フィンランドの豊かな自然を余す事なく表現している。
標題は、フィンランドの季節を表現すのに相応しいものが付与されている。希望を失わない冬。春の陽光への憧憬、清澄で明光さを表す夏。秋は次第に色彩を失うが如く、次第に暗く、影へと転じ、孤独を感じさせる冬に戻る。
戦争の終結を願い、戦死者に対する鎮魂歌で曲集は締め括られる。
執筆者:
渡邊 真里子
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パルムグレン 太陽と雲
(株)全音楽譜出版社
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