パルムグレン :太陽と雲 11月 裸の木々 Op.102-11
Palmgren, Selim:Sun and Clouds "November Kala trad(November/Bare trees)" Op.102-11
解説 : 渡邊 真里子 (370文字)
重々しいV7のアルペジオの和音が、冬の到来を告げる。3小節より12小節は、低音でC音が保続する。Andante で簡素な4分音符が連なり、内声の和音が徐々に下降する。暗く悲哀に満ちた旋律が進行する。
13小節よりPoco animato 8分音符のアルペジオが中音域を支配する。旋律は穏やかな流れとなり、17小節より23小節まで、Es dur に転調する。沈思黙考するように進行する。低音はG音が保続した後、Es-H-Asと下降する。ホモフォニックの様式で、旋律とアルペジオが絡み合う。
24小節より再現部となる。左右ともオクターブの和音で、一音ずつ踏みしめる。主題が左のオクターブの和音となり、重厚さを増す。低音のC音が保続する。森閑とした林に立ち尽くす木々を想起させる。和音が叫ぶように連続して頂点を極め、力強くV度の和音へと向かう。
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