穏やかで柔らかな風に揺れるような、8分音符のジグザグ音形で表現される。ロマン主義の書法による作品である。バスはE音を14小節まで保続して、繊細な旋律を支え続ける。左の内声は1小節から6小節まで(A-Gis-H-Fis)のオスティナートとなる。パルムグレンの作品の特徴である、高音域を巧みに使用し、煌めきを感じさせる作風となっている。
7小節より11小節までfで内声は重音となり、次第に穏やかに終息していく。11小節より14小節まで、再びpに転じて、揺らめきながら幻想的な世界観を表現する。
中間部(15小節より24節)は嬰ト長調に転調し、温かみのある優美な旋律が現れる。夢想的な旋律が現れ、幸福感に満ちた表現となり、高揚感を増す。「O, hur här ligt maj sol ler!」「おお、何と輝かしく5月の太陽は微笑んでいることか!」という言葉が添えられている。
静謐な旋律に始まり、17小節から次第にcrescendoしていく。19小節で内声が6度の関係を保持して、清澄な旋律を織りなす。高音域はオブリガートで、緩やかに変化する。
経過句の後、25小節より再現部となる。主題は三連符で変奏される。主題で見られたソプラノのオブリガートは消失する。legatissimoで装飾性を増す。左は主題が4部音符であったのに対して、8部音符に変化し、繊細さを増す。三連符のジグザグ音型で透明感のあるささやかな歓びが、鮮やかに展開する。左は25小節より30小節まで、オスティナートとなる。E音を保続し、天空に吸い込まれるようにして、E音で消えていく。