シューベルト :12のグラーツのワルツ D 924 Op.91
Schubert, Franz:12 Grazer Walzer D 924 Op.91
執筆者 : 稲田 小絵子 (214文字)
1827年9月、シューベルトは、ベートーヴェンとも親交のあったパハラー夫人からの招待を受け、友人イェンガーと共にグラーツで休暇を過ごした。ヴィーンに戻ってから夫人に送った書簡によると、その地での約2週間は快適であったようである。このワルツ集はそのときに書かれたのだろう。頻繁に変化する音域や調が、親しい仲間のダンスを見ながら臨機応変に即興する作曲家の姿を彷彿とさせる。
《グラーツのギャロップ》D925も同じ時期の作品と思われる。