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ベートーヴェン:ドレスラーの行進曲による9つの変奏曲 WoO.63

Beethoven, Ludwig van:9 Variationen über einen Marsch von E.C.Dressler WoO.63

作品概要

作曲年:1782年 
出版年:1782年 
初出版社:Götz
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:変奏曲
総演奏時間:7分10秒

解説 (1)

執筆者 : 稲田 小絵子 (508文字)

更新日:2008年7月1日
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ベートーヴェンが12歳のとき、師ネーフェの勧めで作曲し、初めて出版した作品である。当時の変奏曲は、ピアニスト兼作曲家にとって、即興的な変奏技法の披露および演奏の技巧性のアピールのための最適な手段であったが、それと同時に、若い作曲家にとっての習作を受け入れるジャンルでもあった。若いベートーヴェンは、ここを出発点として、その後の多彩な創作活動に踏み出したのである。

主題は、テノール歌手でもあったエルンスト・クリストフ・ドレスラー(1734-79)の行進曲である。ハ短調という調性は、交響曲第5番《運命》やピアノ・ソナタ第8番第32番などの特徴的な作品に用いられていることから、ベートーヴェンの作品においてしばしば特別視される。だがそうしたことを考慮しなくとも、最初の作品に彼が短調を選択したことは興味深い事実である。また、最終変奏でハ長調に転じていることも注目に値するだろう。

主題の構成は8+8小節という標準的なものであり、短調のために葬送行進曲のような落ち着きをもって開始する。変奏のいくつかは、伴奏の変化や旋律の細分化といった典型的なものだが、中には分散和音や音階によって和声のみを維持するという手法もみられる。

執筆者: 稲田 小絵子

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