作品概要
出版年:1998年
初出版社:Belwin-Mills
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:6分00秒
解説 (1)
解説 : 西原 昌樹
(839 文字)
更新日:2023年7月18日
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解説 : 西原 昌樹 (839 文字)
マスターズとはクラシックの大作曲家を指す。誰もが知る名旋律をメドレーに仕立てたもの(サブタイトルは a bit of the best from 10 master composers)。1998年、全米音楽団体連盟(National Federation of Music Clubs)の設立百周年記念の委嘱作品。連盟の頭文字(NFMC)に由来するヘ音(F)とハ音(C)の2音を軸とするヘ長調のオリジナルの楽想で開始する。この和やかなトーンが楽曲全体に一貫して心地よく流れ、有名なメロディが次々に登場する(原曲がヘ長調であればそのまま、ヘ長調以外であればヘ長調に移調される)。多くのメロディは調だけでなく、拍子、拍節、和声、臨時記号などが改変されている。ほんの一瞬顔を出すだけで、一聴して認識できないメロディもある。ちょっとした謎かけ、あるいは宝探しのような面白さを狙ったものであろう。あかぬけた雰囲気と品のよいユーモアで、弾き手、聴き手を楽しませる。扱われる曲は以下、10作曲家の計18作品。バッハ(主よ人の望みの喜びよ、二声インヴェンションヘ長調)、モーツァルト(ピアノ協奏曲第20番K.466第2楽章、ピアノソナタハ長調K.545第1楽章)、ベートーヴェン(悲愴ソナタOp.13第2楽章、エリーゼのために)、シューベルト(ワルツ[ドイツ舞曲]変ロ長調D.783 / Op.33-7)、シューマン(トロイメライOp.15-7、乱暴な騎手 Op.68-8)、ショパン(葬送行進曲、幻想即興曲Op.66、雨だれの前奏曲Op.28-15)、ブラームス(ラプソディト短調Op.79-2、子守歌Op.49-4)、プッチーニ(ある晴れた日に)、ドビュッシー(小さな黒人、夢)、ガーシュウィン(天国への階段)。