バッハ :幻想曲とフーガ 幻想曲 BWV 906

Bach, Johann Sebastian:Fantasie und Fuge  Fantasia

作品概要

楽曲ID:82887
作曲年:1729年 
出版年:1802年 
初出版社:Hoffmeister & Kühnel
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (490文字)

更新日:2023年10月30日
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この曲は何故複合拍子で書かれなかったかは謎ですが、あくまでも4/4拍子を感じてという事かもしれません。拍の認識はさておき、このファンタジー、c-mollで書かれていますが、バッハのc-mollという調は、他のc-mollの作品を思い浮かべたとき、決して深刻な調ではありません。むしろ楽しさも含む調であり、パルティータのカプリチオや平均律曲集第2巻のプレリュードを思い出すと、実に楽しい、機嫌の良い調であることがわかります。このファンタジーも同じです。ある程度の威厳を保ち、楽しく弾くことがヒントです。また、tuttiとsoloの掛け合いのような部分も見られます。

このファンタジーは故に、重たくきこえるべきでは無く、それには16分音符で書かれた3連符をppで、leggieroで弾くようにし、例えば、9~10小節間の右手の8分音符や、左手の8分音符は短いスタッカートで弾くようにします。

曲中、この16分音符の3連符はほぼ途切れること無くどこかの声部に現れます。故に、この曲はリズミカルで淡々と進む曲と理解して下さい。また、各セクションの性格に応じて、多彩な音色も是非駆使して下さい。

執筆者: 大井 和郎
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