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フィリップ :《ペダル・フリューゲルのためのスケッチ集》Op. 58(原曲:シューマン) 2台ピアノ

Philipp, Isidor:Esquisses pour piano à pédales Op. 58 (Robert Schumann), transcription pour deux pianos

作品概要

楽曲ID:80230
出版年:1903年 
初出版社:Durand
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:トランスクリプション
総演奏時間:11分00秒
著作権:要調査
原曲・関連曲: シューマンペダル・フリューゲルのためのスケッチ

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (1208文字)

更新日:2022年10月5日
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イシドール(イジドール)・フィリップは20世紀前半のフランスを代表するピアニストの一人に数えられる。名教師として多くの後進を育成した功績も大きい。演奏、教育に加え、作曲、編曲、既存楽曲の編纂・校訂・運指、教本の執筆など多岐にわたる活動の中で、ピアノデュオの作編曲が質量両面で充実していることにも着目したい。2台ピアノ用の編作は、出版譜だけでも60点以上に及ぶ。フィリップは生涯にわたって2台ピアノと密接なかかわりを持ち続けた。1875年に12歳の若さでサン=サーンスの2台ピアノの相手を務めてステージに立ったのを皮切りに、青年期には巨匠格の年長者や同世代の若い仲間と多く組んだ。壮年期以降は教え子たちと組むことが増え、マルセル・エーレンシュミット(Marcelle Herrenschmidt)と共にサン=サーンスのスケルツォ(Op. 87)をレコーディングしたとき(1939年)、フィリップは76歳であった。フィリップの2台ピアノ編作は、自身の演奏活動と門下の教育のために書かれたもので、実用性と芸術性を兼ねそなえた名品が揃っている。

フィリップは、サン=サーンスに私的に師事した少年期を経てパリ音楽院ではマティアス(ショパンの弟子)に学んだうえ、青年期には当時楽壇の長老として存命であったリストヘラーアルカンの知遇も得、ロマン派の黄金時代の生き証人である彼らからじきじきに、往時の思想、美学、解釈、奏法について懇切な伝授を受けた。シューマンペダル・フリューゲル(足鍵盤つきピアノ。フランスではペダリエとも呼ばれた)のために書いたスケッチ集は中期の重要作であるが、現代では廃れた楽器であることから実演の機会が少ない。シューマンにも造詣の深いフィリップが2台ピアノ用に編曲した意義は大きい。シューマンのペダル・フリューゲル作品としては、本作のほかに《カノン形式による6つの練習曲》Op. 56があり、ビゼーによる4手連弾版、ドビュッシーによる2台ピアノ版が普及している。内省的で穏健な「6つの練習曲」に比べ、本作はシューマンらしい焦燥感、浮遊感にあふれ、めりはりのあるダイナミックな曲想を楽しめる良さがある。聴き手にも大いによろこばれよう。難度も高くなく、リピートの有無で時間の調節もできて使いやすい。作曲家のシャルル・ルヌヴー(Charles Lenepveu)に献呈された。

第1曲 Moderato, ma marcato assai 4分の3拍子 ハ短調

第2曲 Moderato, ma marcato assai 4分の3拍子 ハ長調

第3曲 Vivace 4分の3拍子 ヘ短調

第4曲 Allegretto 4分の3拍子 変ニ長調

執筆者: 西原 昌樹

楽章等 (4)

第1曲

調:ハ短調 

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編曲0

第2曲

調:ハ長調 

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第3曲

調:ヘ短調 

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第4曲

調:変ニ長調 

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