楽天的なフーガですが、もしかしたら重々しさも欲しいフーガかも知れません。このフーガは特にピークポイントらしいピークポイントもありません。
ただし、調性が次々に変わります。各調のテーマ(主題)は次の通りです。
1小節目 E-dur
6小節目 H-dur
10小節目 E-dur
17小節目 cis-moll
22小節目 E-dur
28小節目 fis-moll
32小節目 E-dur
39小節目 E-dur(断片)
41小節目 E-dur
基本的に3声体で進みます。このフーガも、ハープシコードの演奏というよりは、オルガンの演奏をイメージして、細いパイプの音や、太いパイプをイメージしますが、勿論テーマに関してはテーマをはっきりと出すようにします。41小節目のテーマなど、オクターヴ下にテーマが書かれてあってもおかしくないようなイメージです。
ところで、列挙したテーマは殆ど、低いレジスターで登場することにお気づきでしょうか?1小節目に出てくるテーマが最も高い位置にあり、そこから先のテーマは殆どの場合、ヘ音記号に書かれています。仮にオルガンで演奏した場合、ペダルでテーマを弾くのであれば、そうそう速いテンポではむりですね。その場合を想定して、テンポをある程度ゆっくりと進ませ、多少の重たさ(雄大さ)があっても良いのかもしれません。