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ヘンデル :組曲(クラヴサン組曲第2集から) HWV 437

Händel, Georg Friedrich:Suite HWV 437

作品概要

楽曲ID:6844
作曲年:1710年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:9分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

執筆者 : 丸山 瑶子 (1530文字)

更新日:2011年12月14日
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HWV 437 d-moll

1703-05年のハンブルク時代成立とされる組曲。HWV436と同様に変奏曲楽章を含む古典舞曲楽章からなる。プレリュードは低音の主音呈示で開かれ、右手の即興的なパッセージ属調に転調する(第6小節)。その後も音楽は両手間の模倣や10度の平行による装飾的な音形で切れ目なく流れる。この流れはカデンツでようやく小休止を得るが、調は主調平行調であり、まだ楽章の本当の終わりではない。その後、音楽は改めて動き出し、低音から高音まで駆け上る音階に導かれて、真にプレリュードを閉じる主調のカデンツへ至る。

アルマンドは、16分音符3つと4分音符1つ動機の掛け合いに特徴づけられる。動機を掛け合う2声の組み合わせが、冒頭では上2声、2回目は上声と低声というように変わることで、素材は限定されていながらも、音響的な彩りが生まれている。上声が跳躍と同音反復からなる動機によって下行し始めると、低声も2度上行の繰返しとなり、終止へ向かって全体の推進力が高まる。

クーラントの前半は楽節の切れ目が非常に不規則。対照的に、繰返し記号後は2小節単位で区切られた、比較的規則的な構造で書かれている。第33小節からは、この2小節の周期が崩れ、動機の畳みかけとなることによって切迫感が生まれている。

サラバンドは事実上、舞曲ではなくサラバンドのリズムと様式を借りたアリアと理解されうる。この組曲は第2変奏までしか書きおこされていない。しかし後続の変奏は、奏者自らにより続けられるものと解釈されている。ここに、即興という実践的な訓練を前提とした本作品の性格が読み取れる。

終楽章のジグはヘンデルのジグの中でも最短とされ、変奏曲によって拡大してしまう組曲全体の規模を調整している。伴奏の16分休符が切れの良さを生み、サラバンドと好対照を成していると言えよう。

1703-05年のハンブルク時代成立とされる組曲。HWV436と同様に変奏曲楽章を含む古典舞曲楽章からなる。プレリュードは低音の主音呈示で開かれ、右手の即興的なパッセージ属調に転調する(第6小節)。その後も音楽は両手間の模倣や10度の平行による装飾的な音形で切れ目なく流れる。この流れはカデンツでようやく小休止を得るが、調は主調平行調であり、まだ楽章の本当の終わりにはなっていない。その後、音楽は改めて動き出し、低音から高音まで駆け上る音階に導かれて、真にプレリュードを閉じる主調のカデンツへ至る。

アルマンドは、16分音符3つと4分音符1つ動機の掛け合いに特徴づけられる。動機を掛け合う2声の組み合わせが、冒頭では上2声、2回目は上声と低声というように変わることで、素材は限定されていながらも、音響的な彩りが生まれている。上声が跳躍と同音反復からなる動機によって下行し始めると、低声も2度上行の繰返しとなり、終止へ向かって全体の推進力が高まる。

クーラントの前半は楽節の切れ目が非常に不規則。対照的に、繰返し記号後は2小節単位で区切られた、比較的規則的な構造で書かれている。第33小節からは、この2小節の周期が崩れ、動機の畳みかけとなることによって切迫感が生まれている。

サラバンドは事実上、舞曲ではなくサラバンドのリズムと様式を借りたアリアと理解されうる。この組曲は第2変奏までしか書きおこされていない。しかし後続の変奏は、奏者自らにより続けられるものと解釈されている。ここに、即興という実践的な訓練を前提とした本作品の性格が読み取れる。

終楽章のジグはヘンデルのジグの中でも最短とされ、変奏曲によって拡大してしまう組曲全体の規模を調整している。伴奏の16分休符が切れの良さを生み、サラバンドと好対照を成していると言えよう。

執筆者: 丸山 瑶子

楽章等 (5)

前奏曲 HWV 437

総演奏時間:1分00秒 

動画0

解説0

楽譜0

編曲0

アルマンド HWV 437

総演奏時間:2分00秒 

クーラント HWV 437

総演奏時間:1分40秒 

動画0

編曲0

サラバンド(2つの変奏付き) HWV 437

調:ニ短調  総演奏時間:4分20秒  ステップレベル:応用6,応用7,発展1

動画0

編曲0

ジグ HWV 437

総演奏時間:0分50秒 

動画0

編曲0

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