作品概要
作曲年:1903年
楽器編成:ピアノ合奏曲
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:15分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
執筆者 : 樋口 愛
(830 文字)
更新日:2007年11月1日
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執筆者 : 樋口 愛 (830 文字)
サティ37歳の時の作品。四手連弾のピアノ曲である。三つの小曲とあるが、実際には七つからできている。三つの小品は中心におかれ、その前後に「始め方、おなじもものの延長、付け加えて、言い直し」と題付けされた四つの小曲がつけられ構成されている。
この曲にはユニークなエピソードがあり、当時ドビュッシーに「形式にこだわった作品を」と忠告を受け、この《梨の形をした三つの小品》を書いたのだが、この“梨(西洋梨)にはもうひとつの隠された「まぬけ、うすのろ」といった意味をもっていた。サティは、こういう形でドビュッシーの忠告に対して、裏に皮肉な意味を持って応じたようだ。他のサティの作品とは異なる点として、調性があり、拍子があり、確かに形式にもこだわった作品となっているようだ。
まず第一曲《始め方》は、4分の4拍子で書かれ、終止線もある。セカンドは、伴奏形でプリマが単旋律的なメロディーを最後まで変化なく続けていく。右のモティーフをみると、同じ三小節単位のモテイーフが繰り返されていることがわかる。
第2曲《同じものの延長》は、4分の2拍子のd mollで書かれている。セカンドをプリマが追う、メランコリーの書法が使われている。
《小品Ⅰ》《小品Ⅱ》《小品Ⅲ》は梨の形の三つの小品にあたるものである。
《小品Ⅰ》は、4分の2拍子、c mollで緩やかな曲想である。プリマをみると、いくつかの種類のモティーフが繰り返されている。。
《小品Ⅱ》は、4分の2拍子、C durで、快活な舞曲であるが中間部はなだらかなゆったりとした曲想で再び最初の舞曲に戻っている。
《小品Ⅲ》は、4分の4拍子のAs durで荒々しい曲想である。明確なリズムで書かれている。
《つけ加えて》は、梨の果肉(三つの小品)を覆う皮であるかのようなシンプルで薄い特に変化のない流れでできている。プリマは単旋律的である。
《言い直し》は、4分の3拍子、B durで書かれたゆったりとした優雅な旋律の流れる舞曲で全曲をしめている。
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