シューベルト : ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D 845 Op.42
Schubert, Franz : Sonate für Klavier Nr.16 a-moll D 845 Op.42
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 稲田 小絵子
(672 文字)
更新日:2007年6月1日
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執筆者 : 稲田 小絵子 (672 文字)
シューベルトはこれまで数多くのピアノ・ソナタを作曲してきたが、この作品はこのジャンルにおける初の出版作品となった。作曲された1825年5月から、わずか1年足らずという異例の早さである。献呈は、ベートーヴェンのパトロンとしても有名なルドルフ大公。
この年、シューベルトは未完も含めて3曲のピアノ・ソナタ(第15~17番)を生み出した。これまでのシューベルトのピアノ・ソナタでは、しばしば3楽章のものが見られるが、このソナタ以降は一貫して4楽章制をとるようになっている。この作品は、長さの点でも楽章間の曲想的対照の点でも、全体的に非常にバランスの良いソナタといえるだろう。
第1楽章:モデラート、イ短調、2/2拍子。ソナタ形式。冒頭主題の「問いと答え」という形は第15番と同じだが、前作のような頻繁な転調は、展開部に限られている。
第2楽章:アンダンテ・ポコ・モッソ、ハ長調、3/8拍子。変奏形式。主題と5つの変奏から成る。穏やかでありながらすでに調の揺れを見せる主題は、華麗な変奏や、和声的な変化を感じさせる厚い書法の変奏によって提示される。
第3楽章:スケルツォ。アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ短調、3/4拍子。軽く鋭い冒頭モチーフを駆使したスケルツォ部と、ウン・ポコ・ピウ・レントのゆったりとした子守唄風のトリオ部から成る。
第4楽章:ロンド。アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ短調、2/4拍子。八分音符に支配された即興的なロンド主題を中心に、一気に走り抜けてゆく。だがその中でも、フォルテで奏される二分音符やトリルで飾られた四分音符がアクセントになっている。
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